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日本が望みを託す宇宙開発の切り札!
「宇宙エレベーター」の知られざるシナリオ

2010年3月18日
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宇宙滞在中の野口飛行士は
自前のトイレを使えない?

 唐突だが、「日本の宇宙飛行士は、宇宙滞在中に自前のトイレを使えない」ということを、ご存知だろうか?

 日本の宇宙飛行士が、無重力の宇宙で世界を代表する一大プロジェクトに従事するプレッシャーは、一般人の想像を絶するだろう。そんな状況下で、トイレさえ自由に使えないとなれば、その「極限状態ぶり」はいかほどのものか。しかし、それが宇宙開発プロジェクトの実情なのである。

 宇宙飛行士と言えば、すぐ思い浮かぶのが、野口聡一宇宙飛行士だ。野口飛行士は、昨年12月21日にロシアのバイコヌール発射場からソユーズに乗り、世界15ヵ国が参加する国際宇宙ステーション(ISS)に向けて出発した。

 その滞在期間は、実に約5カ月間。2009年夏に、4ヵ月に及ぶISS長期滞在を果たした若田光一さんの滞在日数を越える予定で、目下様々なミッションに取り組んでいる。

 しかし、冒頭で触れたように、野口さんは滞在期間中、トイレという生活に欠かせない施設を全て借り物で過ごさなくてはならない。日本の宇宙開発を主導するJAXA(宇宙航空研究開発機構)は、ISSに「きぼう」という実験棟を保有して開発に参加しているが、日本の寄与部分にトイレ設備がないため、米国かロシアの施設を利用しなくてはならないためだ。

 JAXAのきぼうフライトディレクターである土田哲氏によれば、「これは、カナダなど米露2ヵ国以外の宇宙飛行士も、全て同じ条件」という。

 「きぼう」は、ISSで確かにそれなりの存在感を持っている。しかし、卑近な例とはいえ、トイレの状況1つとって見ても、「日本が国際宇宙開発で主導的地位を確立している」とは、まだまだ言い難いのが現状だ。

宇宙エレベーターの完成予想図を見ると、まるでSF映画のようだ。どうやったらこんなスゴイものを作れるのか、一般人には想像もつかない。

 実は、そんな日本が将来の宇宙開発において、各国に先駆けて重要な要素技術を提供できる分野が1つだけある。それが、現行のロケット・衛星型宇宙ビジネスとは全く異なる新技術「宇宙エレベーター」である。

 ご想像の通り、宇宙エレベーターとは、地上から宇宙へ人や物資を運ぶためのインフラだ。「何だかSF映画みたい」と感じる人も多いだろうが、これまで水面下でコツコツと研究が進められてきた。

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