一番感動できるのは、人を感動させられたとき

ほんのちょっとのサービス精神が、奇跡を生んだりする<br />【佐々木圭一×鈴木おさむ】(後編)

佐々木 おさむさんは、10年後はどうしていたいですか。

鈴木 今の段階では、いろんなことを思うんですが、やっぱりやりたいことがすごくたくさんあるので、それをやっていきたいですよね。
 僕の中で、理想の人、こうなりたいなと思う人って、特にいないんです。ただ、やっぱり50歳になっても、テレビの仕事に関われていたらいいなぁ、と思います。ただ、その状況が悲しいことになっていて、自分が気を遣われているようなことになるなら、潔く辞めようとも思っています。

 10年後、テレビはどうなっているかわかりませんけど、特に後進のために何か10年以内に新しい扉を開けるきっかけになれたらいいなぁ、という思いはありますね。
 なんとなく放送作家で、ルーティーンの仕事をこなしていくのが、一番ラクなんだと思うんです。お金ももらえるし、時間もできるし。でも、これまでありがたいことに実績を出させてもらってきたことを生かして、これまでできなかったことがやれて、それがひとつのトンネルになって、みんなが入って来られるといいなぁ、と。

 大ヒットしたドラマ『半沢直樹』を見ていると、やっぱり作り手のものすごい気持ちの強さが伝わってきましたよね。だから、あそこまでヒットした。キャスティングなど、縛りがある中で、あれだけの結果を出すのは、奇跡でもあると思うんですよ。世の中がテレビで久々に動いたな、という気がします。

 でも、バラエティはまだ、そういうことが起こせていない。起きる可能性はあると思うんです。絶対に誰かがやらないといけない。ならば、自分でやってみたい、という気持ちがある。どういう形になるかはわかりませんけど。

佐々木 著書の『天職』は、「感動」というところで締められていますよね。僕もそれをすごく大切にしているんです。「感動がどれだけ多い人生であるか」をいつも意識しています。
 僕が一番感動できるのは、人を感動させられたときなんですよね。それを見て、僕自身も感動できる。そういう感動が、たくさんある人生にしたいなぁと思っているんです。

鈴木 僕は、日々、スルっと抜けていくんじゃなくて、「今日はこれがあった日だ」「こんなことを話した日だ」「こんな気持ちになれた日だ」というのを、一日一個、ちゃんと残したいなぁと思っています。だから、飲みに行っちゃったりするのかもしれないですけど(笑)

 毎日毎日、ちゃんと印を立てて生きたい、というか。そこに感動があれば、尚いいですけどね。今日あったことを、人に話したくなるほどのことって、よっぽどのことじゃないですか。それこそが、毎日毎日があることのうれしさのような気がします。
 実際、思ってもみないところで点と点がつながったり、線と線がつながったりもする。そういうところからも、感動は出てくる。それこそ、いろんなことを本気でやっていると、本当にいろんなことが起きるんだなぁ、と改めて思うんです。

佐々木 ありがとうございました。


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