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花王-カネボウ陣営が中国化粧品ビジネスで売上げ目標を下げた本当の訳

週刊ダイヤモンド編集部
2009年5月14日
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 化粧品の中国ビジネスで異変が起きた。花王傘下に入った2006年に「2010年に200億円」という売上げ目標を発表していたカネボウ化粧品が下方修正を迫られたのだ。親会社の花王の尾﨑元規社長は、「この目標には当面、届かない。2010年度の売上高の目標は80億円に変える」と険しい顔だ。

 決して売れていないわけではない。2008年度のカネボウの中国での化粧品売上げは「30%成長を遂げている」(尾﨑社長)。にもかかわらず、計画どおりに進まなかったのは、販路開拓が思惑どおり進まなかったためだ。当初は取扱店を「2010年に1200店」と掲げていたが、現在は800店にとどまっている。

 現在、中国の化粧品の市場規模はすでに1兆4000億円と、ほぼ日本市場に匹敵する。シェアトップはロレアル、それに資生堂、P&G(マックスファクター)が続く。花王―カネボウ陣営とは対照的に、日本勢トップの資生堂は2009年度に取扱店を700店増やし4000店体制に、前年比2割増の850億円という売上げ計画を打ち出している。

 それに対して花王・カネボウ陣営は「今は出店よりも既存店の一店当たりの売上高を増やすほうが得策。販売員の教育への投資を増やしたい」(尾﨑社長)と足場固めに躍起だ。

 中国化粧品ビジネスで問題になっているのが人材育成だ。中国では化粧人口は女性の2割程度といわれ、まだまだ一部の富裕層のものでしかない。そのため、地方の販売員にまで商品知識や化粧技術が普及しているという状況ではなく、メーカーからの教育は不可欠となっている。

 ところが、あるメーカー幹部によれば、「他の産業に比べればましなほうだが、引き抜きはしょっちゅうだし、給料のいい別の仕事に転職する例は多い。年間の離職率は10%を超えている」。

 花王―カネボウ陣営が販路開拓に苦心し、守勢に立った原因はまさにこの問題。教育と投資の回収というジレンマを抱えているのだ。

 かたや資生堂は強気な姿勢だ。2008年3月に上海に「中国研修センター」を設立。中国各地の百貨店や化粧品販売店の美容部員とその美容部員を指導するインストラクターの研修を始めた。「中国で尊敬される会社になる」(前田新造社長)ことによって、資生堂に対するロイヤルティを高めるという。

 こと中国市場においては、日本の両雄の明暗がくっきり分かれた格好だ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 大坪稚子)

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