ゴーンのツケは回収したのに…日産が「ホンダ主導の統合」を余儀なくされたワケ8月に提携発表の記者会見を開いた日産自動車の内田誠社長(左)とホンダの三部敏弘社長。両社の協議は「統合」にまで一気に踏み込むことになった Photo: Bloomberg/ Getty Images

ホンダと日産が統合検討へ
日産は業績悪化で窮地

 12月18日の未明、日本経済新聞デジタル版が特報として「ホンダ・日産が統合へ 持ち株会社設立、三菱自の合流視野」との一報を流した。同じく18日付朝刊では、1面トップで「ホンダ・日産統合へ」との大見出しで、「ホンダと日産自動車が経営統合に向けた協議に入る」と報じた。これらによると、両社は持ち株会社を設立し、傘下に両社がぶら下がる形で調整、将来的に三菱自動車が合流するという。

 24年3月の「ホンダ・日産提携検討」という発表に始まり、8月には次世代技術や車両の相互補完にまで踏み込んだ協業の覚書を締結。その際には、戦略的パートナーシップ検討の座組みに三菱自動車工業も加わることも発表されるなど、着々と両社の連携は深められてきた。

 それが、ホンダ・日産の経営統合にまで一気に大きく踏み込む議論に発展することになった。ホンダの三部敏弘社長は、メディアの取材に対し「あらゆる可能性を検討している」とコメントしている。ただし、8月の会見でも「提携によるスケールメリット、コストダウンを生かしていく。資本関係の可能性も否定しない」とは語っていた。

 週明けの23日には、両社は経営統合に向けた協議に入るが、なぜホンダと日産が経営統合にまで踏み込もうとしているのか。

 まず一つ言えるのは、特に日産にとっては、今期に入ってからの大幅な業績悪化による“苦境”が大きな要因だということだ。