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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

上海万博、中国人の目で見た日本産業館の人気倍増案

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第5回】 2010年6月10日
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 出張で上海に数日間滞在していた。スケジュールが詰まっていたので、話題の上海万博に行くことはまったく考えていなかった。ところが、ある日の夕方、とある会社での打ち合わせが終わったところで、その会社のJ社長から、「万博に行こうか、食事も会場内でしよう」と誘われ、予定外の上海万博訪問となった。

 万博の会場は上海市内を流れる黄浦江を挟んだその両岸にあり、旧市街地側の浦西会場と川の向こう岸にある浦東会場からなる。私たちが浦西にある万博の会場に駆け付けた時は、時計の針が19時を刻んだところだった。

 上海万博の入場券には、夜間専用の券がある。17時以降にならないと入場できないという制限は受けるが、価格は比較的安い。しかしそれでも90元(1元=約13.5円で、1215円)する。すでに6回訪れているJ社長が案内役を務めた。「夜は昼間よりだいぶ空くので、人気パビリオンに入るための待ち時間も大幅に短くなる」という社長の説明を聞きながら、浦西会場にある日本産業館を訪れた。

日本産業館の館外で開催されている「たこ焼き教室」。

 日本産業館辺りはそれでも人だかりで熱気に包まれていた。屋外にあるJAL舞台ではたこ焼きの作り方を教えていた。参加型の教室なので、人々は熱心にカメラを向けていた。その横にあるたこ焼きの売り場では行列ができており、みなできたてのたこ焼きを買って頬張っている。値段は35元(約473円)とかなり高いが、それでも飛ぶように売れている。

 日本産業館の外側をひと回りしてから入場しようと思ったら、長蛇の列を目にした。「待ち時間40分」と書かれたカードをもつボランティアの学生が列の最後に立っていた。「浦西会場では、日本産業館も人気パビリオンの一つだ」というJ社長の説明もどうやら本当のようだ。

 日本産業館で働くボランティアの学生たちにいろいろと尋ねてみた。彼らも人気パビリオンであることを自慢に思っている。日本人の働きぶりをひそかにチェックしてみた。秋岡栄子館長に対する評価の高さに驚いた。「秋岡館長は毎日、分刻みのスケジュールで働いている」とボランティアたちが教えてくれた。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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