俳優の吉沢亮さん昨年12月30日に自宅マンションの隣家に侵入した俳優・吉沢亮さん Photo:JIJI
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吉沢亮が浮き彫りにした
ビール産業の“不都合な真実”

 新年早々、アサヒビールの迅速な「火消し」が注目を集めている。

 そもそもの発端は1月6日午後、人気俳優・吉沢亮さんが泥酔して自宅マンションの隣室に無断侵入したという速報が流れたことだった。警察の調べに対して吉沢さんは、「記憶を飛ばしました。トイレをしたくて、勝手に入ってしまったと思います」と述べていたという。

 吉沢さんといえば、「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」の広告キャラクターに起用されており、この年末年始にもCMが多く流れていたのでご覧になった方も多いだろう。当然、アサヒビールにはこの広告をどうするのかと取材が殺到。当初は「事実確認中」と対応をしていたが、同日21時ごろには、公式サイトから吉沢さんの画像を削除。翌7日には「アルコール飲料会社として事実を容認できるものではございません」としてCM契約を途中解除すると表明したのである。

 実はアサヒビールは昨年9月、「責任ある飲酒」を推進する専門組織「Responsible Drinking部(レスドリ部)」を新設している。「飲酒に対する正しい知識を持った人を増やしていくこと」を主眼に置いた活動は、わずか3カ月で、自社の看板ブランドのイメージを担う人気俳優に「無責任な飲酒」という形で顔に泥を塗られてしまう。

 アサヒビール側の怒りは容易に想像できる。“秒”で契約解除をして火消しに動くのも当然だ。ただ、そんなアサヒビールには大変気の毒な話なのだが、この騒動による「受難」はこれからが本番だと思っている。