ニュースな本写真はイメージです Photo:PIXTA

いくら仕事ができる人であっても、歯がガタガタで息が臭いと印象は悪くなってしまう。また、喫煙は歯周病との関連性が非常に高く、症状が現れにくいため気づくのが遅れてしまうケースがよくあるのだとか。今一度自分自身を振り返り、ビジネスの観点から歯のケアの重要性について本気で考えてみよう。本稿は、多保学『10000人の患者を診た歯周病専門医が導き出した 0歳から100歳までの これからの「歯の教科書」』(イースト・プレス)の一部を抜粋・編集したものです。

糖尿病とタバコは
歯周病リスクを高める

 当院でよく聞く患者さんとの会話です。

 生活習慣も、歯周病を悪化させる大きな要因になります。

 糖尿病と喫煙は、歯周病との関連性が非常に高いと言われています。

 糖尿病の患者さんは、歯周病が進行しやすくなります。血糖値が高い状態だと血流が悪くなるため、白血球の働きが弱まり、免疫力が低下します。そのため、歯周病菌に感染しやすくなり、炎症も進みます。歯周病になると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きが悪くなります。また歯を失うと食生活が偏っていきます。

 その結果、糖尿病を悪化させ、悪いサイクルに陥ります。

 逆に、歯周病の治療をすると、血糖値が改善するという研究結果があります。そのため、歯周病専門医は歯周病に影響を与える血糖値をチェックしています。また、糖尿病内科の医師と歯周病専門医が連携して治療に当たることもあります。

 喫煙も歯周病の進行を促します。タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、血流を悪くします。それによって栄養や酸素の欠乏が起き、歯周組織内に老廃物が溜まり、歯周組織を傷めます。喫煙者の歯茎が黒っぽくなるのは、このためです。

 また、喫煙は白血球の機能を抑制し、免疫力を低下させるため、細菌が繁殖しやすくなります。その上、口の中に歯周病菌がたくさんいても、免疫力が低下して防御反応が起きないため、歯周病の発見が遅れます。非喫煙者が歯周病になると、歯茎が腫れたり、出血したり、暖が出たりしますが、それは免疫機能が正常に働いているからです。喫煙者はその反応が起きにくいため、気づくのが遅れ、抜歯するしかないほど歯周炎が進んでいることがよくあります。