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セクハラ疑惑でCEO辞任
アップルになれる企業
ヒューレット・パッカードの眠る潜在能力

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第107回】 2010年8月11日
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 シリコンバレーでも地道な企業として知られるヒューレット・パッカード(HP)のマーク・ハードCEOが辞任した。

 理由は、女優でHPの外部マーケティング・コンサルタントを務めていた女性に対するセクシャル・ハラスメント(性的嫌がらせ)だ。

 派手な振る舞いが多いシリコンバレーのCEOの中でも、ハード氏は地味な存在だった。カーリー・フィオリーナ前CEOの任期中にバラバラになった社内を統一し、厳しいコストカットで業績を立て直したと評価されてもいた。いかにも、コツコツと仕事を遂行するというタイプのリーダーだったようだ。

 今回のスキャンダル、実際にはその女性と交際していただけとも言われるが、その交際のために会社の経費を使ったことが、ハード氏を辞任に追いやった、と米国の各メディアは報じている。

 さて、当然ながら、ここシリコンバレーの話題は、「HPの次のCEOは誰か」に集中している。いや、シリコンバレーで愛されている企業だけに、正しくは「誰になるべきか」といった視点で語られているといったほうがいいだろう。

 一番主流の意見はこうだ。ハード氏はコスト節約型のトップだったが、HPを飛躍させるには人びとを強く惹き付け、社員の気分を高揚させるようなビジョナリー・タイプのリーダーが必要だ――。

 筆者も同感だ。確かにHPには、大きな潜在能力があるにもかかわらず、そして製品の性能もデザインも優れているにも関わらず、アピールが弱い。対するアップルは、様々な批判を受けながらも、トップのビジョンと派手なマーケティング、スマートな製品デザインで、消費者のマインドシェアを独り占めしている。

 では、HPがアップルになるための芽はどこにあるのだろうか。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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