「地元に残るか、東京に出るか」問題
若者の将来を左右する家賃事情とは
若者が社会人になる際の悩みどころは「地元と都市のどちらに住むか?」だろう。この際の地元は埼玉県などの東京近郊も含まれる。実家から通勤・通学できない距離でもないのに一人暮らしを始める人は、ここ10年で急増した。立地だけでなく、親や家からも独立したい心理が見え隠れしている。
そう考えると、日本のどこに住んでいても「東京に行くかどうか」という論点に集約されるのかもしれない。東京で暮らすにしても、生活費は高い。中でも家にかかる費用が最も大きくなる。そこで賢く東京暮らしをする知恵を授けておこう。
まず、労働市場の実態を理解しておこう。現在の全国の有効求人倍率は1.2倍台、東京都は1.8倍台になる。1以上あるということは求人(仕事)の方が求職者よりも多いことになる。それだけ東京には仕事がたくさんあり、深刻な人手不足となっているのだ。だからこそ、海外から外国人労働者が大量に入ってきているのである。日本語がネイティブで健康な若者は、資格や経験がなくても引く手あまたの「売り手市場」だと心得よう。
就職活動をする場合、その本気度でキャッシュフローは大きく変わってくる。学生と社会人は全く異質な世界だが、若者は仕事の世界に自分を合わせるしか方法はない。その中で、仕事ができるようになることが当初数年の最優先課題となる。
努力を続けられそうな会社かどうかは、フィーリングで会社の体質を見極めよう。3年ほどで戦力にならなければ、その先はないと思った方がいい。
会社を選ぶ基準の第一は仕事を習得できる環境か否かだが、その上で労働条件を比較しよう。初任給から各年代のモデルケース年収がある。しかし、都市では生活コストがかかり、その中でも一番かかるのが家賃である。
東京のほとんどのエリアではマンション条例があり、一定規模(例:10戸以上)のマンションの単身向けは面積が25平方メートル以上に義務づけられている(小規模のアパートには規制はないので、20平方メートル程度の面積の住戸が多くなる)。そんな住宅に住むのに、管理費込みの家賃は10万円かかったりする。当初は少ない給料の中で、この家賃をどう節約するかがポイントになる。