料理研究家・管理栄養士の関口絢子さん料理研究家・管理栄養士の関口絢子さん Photo by Wataru Mukai

ビジネスパーソンが体の不調を未然に防ぐことに役立つ「予防メシ」を紹介する連載。第3回のテーマは「高血圧」。高血圧を放置しておくと、脳梗塞や心筋梗塞、認知症になりやすくなると言われています。健康で長く働くためにも、血圧を正常値に収めておくことは欠かせません。高血圧予防への効果が期待される食材とレシピを教えてくれるのは、YouTubeチャンネル登録者数59万人をほこる料理研究家で管理栄養士の関口絢子さん。

体調不良を予防して、仕事と私生活の土台をつくる「食材・レシピ」をご紹介する連載「予防メシ」連載をフォローすると新着記事がメールで届くので、読み逃しがなくなります。

「細胞の老化」「高血圧」「がん」を
予防が期待される“すごい食材”

 日本高血圧学会の高血圧診断基準では、診察室での収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上の場合を高血圧と定義しています。

 高血圧を放っておくと、高い血圧によって血管が傷ついたり、動脈硬化を引き起こしたりする原因となります。

 動脈硬化が促進されると、心筋梗塞や脳卒中といった重疾患を招くリスクが高くなると言われています。血圧を上昇させる原因には、遺伝的体質に加え、以下のような要素があると言われています。

・塩分の過剰摂取
・ストレス
・アルコールの過剰摂取
・運動不足
・肥満

 肥満をともなう高血圧は、血清脂質や血糖、尿酸、肝機能などにも異常を来すケースが多く、メタボリックシンドロームに進行するリスクも高いと言われています。

 定期的な運動は肥満対策に役立つほか、血管が拡張して弾力が増し、血流の改善を期待できます。野菜や果物には、体内の塩分を排出する作用のあるカリウムが豊富に含まれているものがあります。

 たばこに含まれるニコチンには強い血管収縮作用があり、血圧の上昇を促します。飲酒については適量なら血流を改善する作用を期待できますが、過剰に摂取すると血圧の上昇を招く原因となります。

 野菜に含まれている栄養成分のカルシウム、カリウム、マグネシウム、ビタミンKなどは高血圧の予防や改善に有効です。 野菜やキノコ、海藻に含まれる食物繊維は、コレステロール吸収を抑え、食後の高血糖を抑制する効果があります。

 また、血圧を下げるという意味ではお酢も効果的です。血圧を下げる理由は、お酢の主成分である「酢酸」にあります。 酢酸には血管を広げるアデノシンに働きかける作用があり、血圧の上昇を抑えてくれます。 血圧が高めの人が毎日継続してお酢を摂取したところ、最高最低血圧共に低下したという調査結果もあるほど、お酢と血圧には密接な関係があることが分かっています。