みなさんは野菜をたっぷり食べていますか? そう聞くと、「もっと食べたほうがいいとはわかっているけれど、なかなか難しくて…」と、やや申し訳なさそうに答えてくれる人がほとんどです。なかには「意識して食べているから大丈夫!」と、自信たっぷりに返事をしてくれる人もいますが、よくよく聞いてみると「野菜を食べたつもり」になっているだけで、実際には足りていないという人は珍しくありません。特に、生野菜サラダをたくさん食べている人によく聞くと、食べ方を間違えているため実際はほとんど栄養になっていないケースがよくあります。女子栄養大学で食生活について研究している林芙美准教授の監修の『間違いだらけの「野菜」の食べ方』から、身体に最大限の栄養を取り入れられる食べ方をご紹介します。
「生野菜サラダ×ノンオイルドレッシング」の
意外な落とし穴
野菜をとると聞いて多くの人がまず思い浮かべるのは、生野菜サラダを食べることではないでしょうか。健康と美容のために、生野菜サラダにノンオイルドレッシングをかけて食べるのを習慣にしている人もいるかもしれません。
野菜を食べるよう心がけ、そのうえドレッシングによる脂質のとりすぎにも気を配っているのは、とてもすばらしいことです。ただ、生野菜サラダにノンオイルドレッシングという組み合わせには、意外な落とし穴があります。
まず、緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンは脂溶性で、脂質と一緒にとることで吸収率がアップするという性質があります。つまり、生野菜サラダ×ノンオイルドレッシングという組み合わせだと、β-カロテンを効率よく吸収できない可能性があるのです。栄養素の摂取効率という観点では、パーフェクトな組み合わせとはいえません。