インターネットは、パソコンだけではなく、携帯からも接続できるようになった。いまや不動産からトマト1個まで店頭に行かなくても手に入る。もちろん、HCもその状況を無視するわけにはいかない。自社のウェブサイトにネット通販をリンクしている。より充実させるためにリニューアルをしたり、取扱アイテム数を増やしたりするなど、各社は工夫を凝らしている。 今回は、HC9社のネット通販を実際に利用し、利便性を比較してみた。石丸かずみ(本誌)=取材・文
HCに比べると、ネット利用できる環境が大きく異なっているのが、イオンやセブン&アイ、西友などのスーパーマーケット(SM)だ。日用品だけではなく、生鮮食品も扱うために、基本的に即日配達となる。それを実現させるために、配送の範囲は店舗の周辺と限定されているので、日本中どこでもネットで商品を購入できるわけではない。ある意味、その気になれば買いに行ける範囲の人しか利用できないのであって、たとえばSMが近郊になく、不便を感じているからネットを利用したい人々は利用できないという状況にある。
ターゲットは、仕事が忙しくて営業時間内に来店できない人々や、まとめ買いをしたいけれどもクルマなどの移動手段を持っていない人、そして移動が困難な人などを取り込むことにあるといえる。都市部であればSMの核商圏はおよそ半径1kmほどであるが、各社ともネット通販では配達の範囲が広域まで及んでいる。
一方で、HCのネット通販は日本のどこからでも、どんな時間でも注文が可能なところがほとんどだ。取り扱っている商品に関しては、ジョイフル本田以外は、ほぼ同様と言っていい。各社のネット通販を実際に利用してみて、使い勝手を調べてみた。
DCMe くらしONLINE
慣れるまでに時間がかかる
まず、DCMホールディングスが運営する「DCM e くらしONLINE」。おそらく生活者がDCMと聞いてもすぐ頭に浮かぶことは少なく、利用する人は、おそらく傘下企業のホーマック、カーマ、ダイキなどのウェブサイトから入ってくると思われる。各企業のトップページにはオンラインページへのリンクが張られている。
オンラインのトップページでは商品の検索ができるが、商品名がわからない場合、探す際のカテゴリー分類が、慣れていないと使いにくい。しかも、カテゴリーごとの支払い・配送となっていて、たとえば、ペットフードと日用品を同じ時に注文した場合、決済を2度行わなければならない。また、送料等についても、各ページに表示されているのではなく、ご利用ガイドという別ページになっていて、わかりにくい部分も多い。利用者側から見ると、慣れるまでは何かと戸惑うのではないだろうか。
カインズオンライン
少額商品ページで送料無料を誘導する親切設計
次に「カインズオンライン」。トップページには大枠のカテゴリーがあり、そこをクリックすれば、さらに絞り込むことが可能だ。もちろん、アイテム検索もトップページからできるようになっている。カインズといえば、プライベートブランド(PB)にとても力を入れているが、PBだけを検索することはできず、ほかの商品と同列で表示される。PB商品のページもあるが、カインズがセレクトした商品が十数点紹介されるだけである。メーカー別検索は可能だ。