三菱UFJアセットマネジメントのインデックスファンド、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の純資産が、過去最高を記録したと報じられた。個人投資家を中心に今もなお、注目度が高い米国株。しかし筆者は、そんな米国株に「終わりの始まり」が近づいているのではないかと考えている。その理由とは。(アレース・ファミリーオフィス代表取締役 江幡吉昭)
米国株の「終わりの始まり」が近づいている!?
心得ておきたい投資の格言
米国株は長らく右肩上がりの成長を続け、多くの個人投資家や世界中の機関投資家・ファンドなどから魅力的な投資先として重宝されてきました。しかし、最近の動向を見ると「終わりの始まり」が近づいているのではないかと考えざるを得ません。
10月28日、日本経済新聞は、「スリムS&P500がグロソブ抜く 投信の残高、歴代最大」というタイトルでニュースを配信しました。三菱UFJアセットマネジメントのインデックスファンド、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の純資産が、過去最高額に到達したという内容でした。
このニュースを見て、私はある言葉を思い出しました。
「人の行く裏に道あり花の山」――投資の格言です。裏を返せば、世の中の大多数の人が進む道を選んでいては勝てない、ということです。
歴史を振り返ると、人気を博した投資テーマは、頂点に達した後、数年内に下落し、10年程度は復活できませんでした。ということは、米国株の代表的指数S&P500も、そろそろピークを迎えたといえるかもしれません。
少なくとも、私はこれから新規で米国株には投資できないと考えます。あとは、利食い時を見極める、もしくは大幅な下落を待ってでないと、この資産への投資は危険ではないかと。
「投資の素人が集まると、そのテーマは終わる」――これが投資の鉄則なのです。