灘中学校の校門Photo:PIXTA

「頭がいい子」は、親も賢い――。親にとっては残酷な話かもしれないが、それが現実のようだ。SAPIXの広野雅明先生に「中学受験の素朴な疑問」をぶつける連載。第5回(全12回)は「難関校に受かる子の共通点」を取り上げる。ダイヤモンド・オンラインで2024年9月24日に配信された記事を再配信する。(聞き手・文/教育アドバイザー 鳥居りんこ)

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難関校に受かる「子の習慣」は
同時に「親の習慣」でもある

――親の質問で最も多いのが「やる気」です。「やる気がありません」「どうしたら、やる気を起こすことができますか?」というお悩みはとても多いです。「やる気を引き出す魔法」を教えてください。

 やる気というのは叱咤激励ではなかなか起こせないと思います。例えば、算数が好きな子が、なぜ算数が好きなのかと言えば、算数の問題が解けるからです。解けなければイライラするから嫌いになる。だから、解ける問題を増やしていくのが、ものすごく大事な作業なんですね。

――中学受験は算数で決まるとも言われます。6年生の段階で算数が苦手だとしたら、何をやればいいですか?

 その場合に、有効なのは復習です。6年生の算数でつまづいている子の多くは、塾で5年生が学習する「比や割合」「速さ」「相似形・面積比」などの理解が足りていません。ただし、あまりにも前から振り返ろうとしてもかえって気が焦るだけで時間がかかりすぎます。

 サピックスの場合、6年生は4年生・5年生で学習した内容をふまえた総復習になっています。ですから6年生の授業で学習する「デイリーサポート」からやり直すのがいいと思います。そしてその教材も全部を解こうとせずに、冒頭の「導入と基本」、そして実戦編のABCまでを学習する。

 これだけであれば負荷はあまり多くないですし、一度は学習したことですので、それほど時間はかからない。そして正解したことをほめてあげることです。