円安や燃料価格の高止まりに伴う電気代やガス代の高騰は、日本国民の生活を直撃している。大手電力の2024年3月期の決算は、燃料価格の乱高下からの落ち着きや電気代の値上げが貢献し、赤字に沈んだ前の期から「V字回復」の形となった。ただ、各社の有利子負債は膨らんだままだ。電力・ガス業界で“危険水域”と判定された上場企業は15社に上り、東西の電力大手が13位と6位になった。特集『2025年「倒産ドミノ」勃発!?倒産危険度ランキング【上場434社・最新版】』の#3では、電力・ガス業界の倒産危険度ランキングを検証。15社の顔触れを明らかにする。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
大手電力23年3月期から一転
24年3月期は過去最高益続出!
大手電力各社にとって、2023年3月期は非常に厳しい決算だった。円安や燃料高で電気の調達コストが増えたためだ。一部の会社は、関西電力など大手が絡む巨額カルテル事件に係る課徴金納付も痛手となった。結果、電力会社の純損益は、大手10社のうち関電と中部電力を除く8社が赤字に陥った。
だが24年3月期は一転、大手電力8社の純利益が過去最高を記録した。乱高下していた燃料価格が落ち着き、電気代の見直しもあったためだ。
ただし、ダイヤモンド編集部が電力・ガス業界の倒産危険度ランキングを作成したところ、15社がいまだ“危険水域”にあることが判明した。24年3月5日配信『倒産危険度ランキング2024【電力・ガス16社】10位関電、8位東電、1位は?』では16社がランクインしており、抜け出せたのは北海道ガスのみということだ。
一部を紹介すると、関電がワースト13位に、東京電力ホールディングス(HD)が同6位にランクインした。ワースト1位となった電力会社はどこか。次ページで、電力・ガス業界の倒産危険度ランキングの詳細を明らかにする。