誰もが子どもの頃遊んだことのある「ゴム銃」。割り箸などで作った人も多いのではないだろうか。今回はそのゴム銃をネタにグローバル組織を立ち上げた男性の話。ほんのいたずら心から、会員ゼロにもかかわらず勝手に「協会」を作ったところ、どこからともなくわき出た隠れファンが集結。あっという間に数千人規模に――。バーチャル組織をリアルな組織に発展させた、そのテクニックとは?! 全国に散らばる「ちょいデジオヤジ」の心の危機にも迫ってみました。
なお、この連載ではさまざまな「趣味活」の達人にインタビュー。職場や社会がギスギスする中、自分の時間を生き生きと満喫する男たちの、熱くて奥深いオタクワールドを紹介していく。
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趣味活男#05:中村光児さん(51歳)
職業:フォント・DTP関連会社
家族:妻・長男・長女・次男・次女
趣味:おもにゴム銃製作、射撃
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大人が作るゴム銃は
なんと「504連発」!
眼光も鋭く標的を見据える写真の男性。思わず「ボス……!」と声をかけたくなる、渋い風貌の持ち主である。だが、手にしているのは拳銃ならぬ“ゴム銃”だ。
ゴム銃といえば、「あーハイハイ、そういえば子どもの頃、割り箸で作ったアレね」という人も多いのではないだろうか。だが、侮るなかれ。大人が作るゴム銃は、一味も二味も違う。
たとえば、最大504連発できるという、全長920mm・重量2.4kgの電動輪ゴム銃。発射速度はなんと“1分間あたり1200発”という超高速マシンガンである。モーターで巻きあげた糸が輪ゴムを引き、自動的に発射する仕組みだ。はたまた、一発撃つと銃身がぐるりと180度回転、反対側に装てんした輪ゴムを発射する、という2連発銃もある。
いい大人が頭脳と情熱、小遣いのありったけを注ぎ込んでゴム銃を開発し、射撃の腕を競い合っているのが「日本ゴム銃射撃協会」。中村さんはその理事長を務める。
ゴム銃の “射撃協会”なんてものがあるとはびっくりだが、会員数はすでに2000名超。アジア・ヨーロッパはじめ海外にも外国人会員が存在するという立派な団体だ。ところが協会が発足したとき、会員はおろか理事も役員も存在していなかった。つまり、中村さんがウェブで勝手に立ち上げた“バーチャル協会”だったのだ。