一流のリーダーは、あらゆるピンチをどのように乗り切ってきたのでしょうか?

 「会議中に突然上司からはしごを外された」
 「顧客からの予期せぬクレームに困った」
 「派閥争いに巻き込まれる羽目になった」

 仕事をしていると、「予期せぬこと」に突如見舞われることがあります。

「まさか自分の身にこんなことが起きるなんて」と思った時は、すでに事態が悪化し、どうにもこうにもならないことになっているかもしれません。

 また、「なぜこんなことが起こったのだろう」と思案しながら調査している間に、にっちもさっちもいかない状況に陥ってしまうこともあるでしょう。

 職場では、日々さまざまなドラマが起こります。

 ビジネスの最前線で働くビジネスエリートの方であれば、そんな「ピンチ」ともいえる場面に遭遇し、孤軍奮闘したことがある人が多いのではないでしょうか。

 一流のリーダーは、ピンチの時の切り抜け方を心得ています。

 大事な事態が起きた時、相手と同じ「土俵」に立ってはいけない。

 これは、私が秘書として働いていたとき、よく上司から言われていた言葉です。

一流の人はピンチの時
相手と同じ「土俵」に立たない、の意味

 同じ「土俵」に立ってはいけない。

 これは、どういう意味なのでしょうか?

「土俵」というと、日本の国技ともいえる大相撲を思いだす人が多いでしょう。

 大相撲では、「横綱」という階級が番付の最高峰です。その下に、「大関」「関脇」「小結」「前頭」と続きます。

 一方、番付に載らない階級の力士もいます。「前相撲」と呼ばれる階級にあたる力士です。同じ力士であっても、番付の最高峰である「横綱」の経験値と、番付に載らない「前相撲」の経験値には、大きな隔たりがあります。