メッセンジャーが
ネットへの入口になる

――日本市場を見ると、LINEを使ってない人を探す方が大変なくらいになっていると思いますが、すでにもうシェアを握ってしまったところは、今後どこを伸ばして収益を上げていくのですか。

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出澤 主要4ヵ国では、MAU(月間アクティブユーザー数)が昨年比で20%以上伸びていますが、日本も実は10%以上伸びているんです。というのも、日本は、いわゆるガラケーが非常に高性能でいろいろなことができますから、まだ使われている方が多く、スマートフォンの普及率は57%程度です。

 いろいろなデータを見ても、今後3年間は毎年1000万台くらいずつはスマートフォンの契約者数が増えていくのではないかと言われていますので、日本もまだまだ伸びると見ています。

 また、今後はインターネットへの入り口が、スマートフォンではメッセンジャーになるだろうと世界中で言われています。これまではポータルサイト、あるいは検索というのが情報の起点でしたが、今はどの国でも一番使われているのはメッセンジャーです。日本、アジアにおいてはメッセンジャーではLINEが強く、特に日本では、MAUの80%以上が毎日使っていただいてますので、毎日何回も使うユーザーさんとのエンゲージメントが高い。インターネットの入り口のポジションをメッセンジャーが取っていくということになると、構造的に、必然的に、我々の強みは発揮しやすくなります。

――そうなると、サービス内容も変わっていく?

出澤 そうですね。LINEから何でも見ることができてしまうような、例えばPC時代のヤフージャパンのようなイメージで、「スマートポータル」と呼んでいるんですけれども、いまはそれを「コンテンツ系」と「ライフ系」の2軸で展開しています。「コンテンツ」は、ゲームや音楽、動画などで、「ライフ」は、決済であるとか、パートナーシップでやっているバイト探しなどのサービスです。

 スマートフォンはみなさんが24時間持ち歩いていて、しかも家庭やオフィスに1台ではなく、一人ひとりの手元にある。いままでインターネットが届いてなかったもっとリアルな生活に近いところにもインターネットが届くので、これまで不便だったり、課題だった部分を解決できる領域がスマートフォンによって格段に大きくなっています。いわゆるO to O(Online to Offline)ですね。

 その入り口がメッセンジャーになりつつあるので、いろいろな領域に、我々の価値観を提供しながら展開していこう、と考えています。

――現在の収益の柱は「コンテンツ」「コミュニケーション(スタンプ販売等)」「広告」となっていますが、その比率は今後どのように変わっていくと考えていますか。

出澤 ここ半年くらいの流れでいうと、広告の比率が上がってきていて、広告の成長率がいちばん高いです。我々はメッセンジャー広告と呼んでいますが、LINEのスタンプの広告が非常に人気で、前年比で50%くらい伸びています。また、新しくパフォーマンス広告という、リアルタイムで自動的に広告の売買が行われるような仕組みを今年6月から展開していますが、非常に強く立ち上がっています。

 ただLINEとして、例えばゲームは何%であるべきとか、広告は何%であるべき、というような指標は持っていなくて、おそらく全てのサービスがこれから伸びる大きなチャンスがあると考えています。あと新しいペイメント(支払い)などいろんな事業をやっていますので、そこがもっと多様化してくるのは間違いないですね。