米VMwareは、2016年8月29日から9月1日(現地時間)まで、米ネバダ州ラスベガスのマンダレイベイホテル&コンベンションセンターにおいて、「VMworld 2016」を開催した。
今年のテーマは「be_TOMORROW」。デジタルトランスフォーメーションの実現に向けて、IT部門の役割が重要視されるなか、VMwareは、それを支援していく製品、サービスを提供していくことを強調。そこにbe_TOMORROWの意味を込めてみせた。そして、今回のVMworld 2016は、VMwareの新たな進化を象徴するイベントになったともいえよう。それらの進化は、「Closs-Cloud」「オープン」といった言葉に集約されることになる。ここにも、VMworldで打ち出した「be_TOMORROW」の意味があった。VMworld 2016に参加して、VMwareの「明日」をみた。
企業ITのクラウド化は
まだ3割に満たない
気温が40度近くまであがった夏のラスベガス。だが、会場のホテルは肌寒いほど冷房がきいており、会場となった巨大なマンダレイベイホテル&コンベンションセンターのなかにいれば、猛暑はまったく感じることはない。
米VMwareの年次イベント「VMworld 2016」は、そんななかで開催された。
この4年間は、毎年、サンフランシスコで開催されていたVM Worldだが、会場としていたモスコーニセンターが改修中ということもあり、今年は、ラスベガスで開催。これは、2011年以来、5年ぶりのことになる。会場には、全世界から約2万3000人のパートナー、顧客が参加。日本からも、250人以上が参加した。
今回のVMworld 2016は、会期初日の午前9時から始まった同社のパット・ゲルシンガーCEOによる「ここにいる参加者のビジネスを変化させるイベントが、今回のVmworld 2016になる」という宣言からスタートした。
インテル時代には、「80386」および「80286」プロセッサの設計に携わったエンジニア出身のGelsinger氏らしく、数々の数字を交えて、デジタルトランスフォーメーションを取り巻く現在の市場を表現してみせる。
「IDCのデータによると、デジタル変革のリーダーといえる企業はわずか20%であり、それ以外の企業は、会社の文化に縛られ、レガシーのITシステムに縛られ、技術の進化を享受できていない」「2016年においても、従来型ITシステムは73%を占める。パブリッククラウドとプライベートクラウドをあわせても27%に留まる」「IoTの広がりによって、デバイスの数は、今後5年で4.5倍の180億個になる。2019年第1四半期には、人が利用するデバイスよりも、モノにつながるデバイスの方が増加する」といった具合だ。