服はいちばんに「機能性」

 フィンランド人は、なによりも機能性を重視します。

 服に対する合理的な考えは、この国の長く寒い冬から来るものでしょう。 

 フィンランド人は、外の天気と温度をきちんと把握しているので、カレンダーで春になったからといって、すぐに春の服装に変えるようなことはしません。寒いときは、あたたかい冬の靴、冬のコート、冬のスキーパンツも履いて、帽子、スカーフ、手袋をします。夏であっても、フィンランド人はコート、ジャケット、カーディガンを持参し、いつでも重ね着できるように備えるのです。

 色に関しても合理的です。多くのフィンランド人は、黒を好みます。無難で何にでも合い、やせて見えるからです。

 また、多くの人たちがスポーティーな服を着ます。楽ですし、スポーツ好きにちょうどいいからです。それから、日本人の女性ほどヒールの靴を履きません。ヒールの靴は合理的ではないからです。

 もうひとつ大切にしているのは「年齢と体型に合っているかどうか」です。

 日本で出会ったある女性は「日本人は、40、50代になっても最先端のトレンドを追いかけることに終始しがちで、服の色やスタイルが、年齢的なものも含む『見た目』に合っていない」と言っていました。

 年齢を重ねると体型が変わるので、自分の雰囲気と体型に合う服を探すのがとても大切になってきます。年齢が上がってくると、どうしても体型を隠すためにルーズで大きめ、モノトーンのものを選んでしまいがち。しかし、大きすぎる服、合わない色の服は、逆に生気のない老けた感じに見えてしまいます。

 流行よりも機能性。そして、体型や年齢に合っているかどうか。自分に合ったスタイルさえ見つければ、お金もかからずに楽しい毎日を過ごせます。