ケースBは、旧児童手当も新児童手当も所得制限以上の年収の人の場合。こちらは手当は改正前も後も受けていないので、手取りは増税分の5万円減少している。いずれも子ども1人あたりの金額なので、2人だと2倍の影響を受けることになる。

 子どもの年齢によっては、現在のほうが有利となるケースもあるが、多くの場合、年少扶養控除があったときのほうが家計には有利だった試算結果となった。

高校の授業料無償化の恩恵を受けられず
増税になったままの世帯がある

 16~18歳(高校生)の特定扶養控除は63万円(38万円に25万円の上乗せ)だったのが、高校の授業料無償化(公立高校の授業料月9900円)の財源確保のために上乗せ部分25万円が廃止になり、現在の控除額は38万円。こちらも2011年実施の税制改正だ。

 授業料という現物給付が行われるなら、多くの人は上乗せ部分廃止もやむを得ないと考え、税制改正案が出た当時は大きな反対もなかったと記憶している。しかし、2014年に所得制限が設けられ、世帯年収910万円以上の場合は授業料無償化の対象外となった。

 世帯年収910万円はモデル年収で、実際には世帯の住民税の所得割額合計額が30万4200円以上かどうかで判定する。児童手当の年収制限は年収の高いほうの人だけで見るが、授業料無償化は世帯合算で判定するため、高収入でなくても共働きなら対象外となる家庭は多いのだ。

 所得制限で授業料無償化の対象外となったとしても、扶養控除の上乗せ部分の控除が受けられるわけではない。恩恵がまったくなく、増税になったままだ。

 これまでの控除縮小の流れを振り返ってみると、現金給付する手当や給付金の財源確保のために控除縮小(増税)を行い、数年経ってから所得制限を設ける改正が行われる傾向にある。後出しじゃんけんのようで、納得しがたい施策だ。

 税金の仕組みは難しいが、わからないままにしておいていいことはない。次回は「これだけは知っておきたい税金計算」を解説することにしよう。