Photo by Toshiaki Usami

──高速通信ネットワークや技術革新によって、ITベンダーのビジネスモデルが大きく変わってきている。クラウドサービスなど成長分野で、富士通の強みをどう発揮するのか。

 水道の蛇口をひねれば水が出るように、あらゆる社会インフラにクラウドが入ることが現実味を帯びている。病院や医師不足が指摘される医療の世界、エネルギーを含めた環境問題、農業などの後継者不足の原因でもある少子高齢化の三つが、ICT(情報通信技術)を活用できる可能性が大きい分野。日本が抱える社会問題をいかに解決できるかがポイントだ。

 一例を挙げれば、農家やJAを支援するための農業クラウドを仕掛けている。クラウドで栽培管理や経理ができるシステムで、新潟県では実証実験なども進めており、農業の構造化にメドがついた。

 富士通の強みは、本当に安心して使ってもらえるクラウド環境を提供できること。半導体からパソコン、ネットワーク、サーバまで自社で垂直統合の技術を揃え、米マイクロソフトやオラクルなど業界のトップ企業と提携して、より強固なサービスを提供できる唯一のITベンダーだ。