政権交代の風が吹いたのが
全体としての根本要因

 図2を全体的に見ると、構成要素がすべてトランプ・シフトしている属性が多い。人種、地域は、すべてでトランプ・シフトしているし、年齢別も、これに近い。

図2 前回大統領選からの投票シフト

©本川裕 ダイヤモンド社 禁無断転載
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 すなわち、トータルに見て、何が決定的だったかを判断すると、結局、民主主義の下では、人々は現政権の成果に満足することはあまりないことから、2期目の大統領が立候補する場合を除くと、現在とは反対の政党に政権が移るのが普通である点が最も大きな要因だったと思われる。これは「政権交代必然説」とでも呼べるだろう。

 米ライシャワー東アジア研究所長のケント・カルダー氏は、米国大統領選の結果について、次のように日本の新聞記者のインタビューに答えている。「米国では、同じ政党が3期連続で大統領職を得るのは極めて難しい。オバマ大統領の8年間、戦争は相変わらず続き、実質所得も増えずに、貧富の差が広がった。医療保険制度改革(オバマケア)による保険料上昇で、中間所得層は経済的に打撃を受けていた。そうした状況に不満を持つ人たちは『現状を変えたい』という気持ちを強く持っていた」(毎日新聞2016年11月15日)。