経済不況への対応に苦慮している韓国で、多くの企業が「日本企業の過去の取り組み」を学び始めている。韓国を含めアジア諸国から見ると、一足先に低成長期を乗り越えた日本には「企業経営における隠れた資産」が豊富に存在している。これらの資産を「日本企業の強み」として見直すと、日本企業のグローバルの勝ちパターンが見えてくる。(リブ・コンサルティング韓国オフィス日本企業支援部部長 香月義嗣)

倒産は過去最多!
韓国経済は氷河期に突入

政情不安に加えて、経済成長率の悪化でも苦しんでいる韓国。財閥系をはじめ、多くの韓国企業が注目しているのが、「失われた20年」を経験する中で培われた、日本企業の強さだ Photo:Reuters/AFLO

 韓国では現在、朴槿恵大統領のスキャンダルをきっかけに、全国民に政治不信が蔓延している。

 日本でも度々報道されてきたように、週末の何十万人にも及ぶ退陣デモはそうした不信を大きく表わしていた。2017年も政治・政局を中心に、不安ばかりの1年となりそうだ。

 一方で、韓国が抱えるもう1つの大きな課題がある。それは、経済的な不安要素だ。

 韓国の経済成長率は、2000年代前半の5%前後の成長から急落し、近年は2%近くにまで落ち込んでいる。各種金融機関は、17年はさらに悪化するとの予測を立てている。

SNA(国民経済計算マニュアル)に基づいたデータ

 韓国のこうした経済不況は一時的なものではなく、長期にわたる構造的な不況、すなわち「低成長期」への突入を意味している。

「低成長期」は単なる「不況期」とは違う。景気に反騰する動きがなく、全産業が下降線をたどり、まるで氷河期だ。