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注目の最先端データ分析企業が
トランプ政権と最も近い位置にいる不安

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第427回】 2017年3月22日
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最も有望で先端的な監視技術が
政権の手中に存在するという不安

 ただ、同社の存在にはどうしても安堵できないものがあるだろう。

 周知の通り、共同創設者のティール氏は選挙中からトランプ大統領の支持者で、現在はトランプ政権のアドバイザーを務めている。今や、シリコンバレーの影の大統領などと呼ばれているほどだ。

 そのためもあり、昨年12月の政権移行時のミーティングには他の大手テクノロジー企業のトップと並んで、唯一スタートアップのパランティア幹部が同席していたのだが、これに危惧を覚える人々は多かった。反イスラム、反移民的な政策を明らかにする同政権が、同社の技術を使って個人を特定し、国外退去させると想像されるからだ。

 そうでなくとも、同政権が反トランプ派の洗い出しといった“ビッグ・ブラザー”的な動きに出た際、国民監視のために駆使されるのはまさに同社のような技術だ。同社は、国民のプライバシーを護ることと、テロリズムなどの危険性から国家を護ることは両立すると訴えているが、その主張を正面から信じろと言われても無理な話だろう。

 強力なデータマイニング技術、トランプ政権、国民の監視。パランティアに関わる要素を並べるだけで、不穏な成り行きが想像される。だが、そんなことはお構いなしに、その有効過ぎる技術を理由に同社のIPOへの期待が高まっているのは、どうしようもない事実でもあるのだ。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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