さて、あなたの評価の合計点は、何点だっただろうか。

「-1」点以上の場合は、転職回数が多い筆者であっても、我慢して「異動受け入れ」をお勧めする。会社勤めで、少々の不利や不愉快があるのは仕方がない。機嫌を直して頑張ってみてほしい。

「-2」以下の場合は、拙文の続きにお付き合いいただこう。

転職活動の基本は
「猿の枝渡り」

 さて、「-2」、「-3」、「-4以下」で、転職に向けた緊急度が多少異なるが、

(1)次の就職先が決まるまで、「絶対に」辞めないことと、

(2)自分は、会社を辞めたい、あるいは辞めるかもしれない、と上司や同僚に漏らすことが厳禁であること、の2点を守ってほしい。

 転職の基本は、「猿の枝渡り」だ。次の枝を掴んでから、今いる枝から手を離すのが基本だ。

 地上に落ちた猿、即ち、不用意に会社を辞めた人の立場は弱い。特に、正社員の立場を一度捨てると、同クラスの会社の正社員のポジションを得ることが難しい。そして、不利な条件が3つある。第1に職歴の空白は人材価値を損なうし、第2に無収入になると次の就職先での報酬の交渉が不利だ。加えて、第3に無職の期間が長くなると焦りが出てきて就職活動が上手く行きにくくなる場合が多い。

 また、上司や同僚に「辞めたい」と言うと、注目されるし、多くの場合、構ってもらえるが、組織内での信用が落ちる。話すこと自体が損だし、職場の「かまってちゃん」は人間として恥ずかしい。大人のビジネスパーソンがやることではない。

 具体的な転職活動に当たっては、就職先として考えられる「会社名」・「部署名」を頭に浮かべてみて、そこで採用権限があるかもしれないマネージャーを紹介してくれる、親しくて秘密を守れる知人がいないかどうかから考えてみよう。

「知り合いが、知り合いに、知り合いを紹介する」という形の方が、ヘッドハンターを介するよりも話が早いことが多いし、紹介として強力である場合が多い。同業他社の親しい友人は価値があるし、学生時代や趣味などを通じた知り合いが役に立つこともある。また、ビジネス上親しくなった、例えば、お客様が世話を焼いてくれることもある。ただし、情報漏れには十分注意しよう。

 候補先の会社が中途採用の募集をしていないかどうか、ホームページを確かめてみるべきではあるが、会社によって対応の良し悪しが玉石混淆なので、直接応募する場合、ある程度評判を調べてからの方がいいかもしれない。

 いわゆる、ヘッドハンターを使ったり、人材紹介会社に相談したりするのも、悪くない。転職市場の情報集めにも役立つ。

 特にヘッドハンターを使うことでプラスになるのは、ヘッドハンターを介する方が、お金の条件交渉がやりやすいことと、最後に断る場合に断りやすいことの主に2点だ。ヘッドハンターの仲介手数料(普通は人を採用する会社から取る)は、採用する人の収入に連動する場合が多いので、求職者とヘッドハンターの利害の方向は一致することが多い(稀に、安くても早く決めて、収入にしようとする悪質な業者もいるので、「早く決めましょう」とせかす業者には気を付ける方がいい)。

 俗に言われるように、医者と、弁護士と、ヘッドハンターに、親しい友達を持っておくことは人生の役に立つというのは本当だ。

 転職活動は、主に面接によって進むが、何次かにわたる面接にあっては、情報漏れに注意しつつ、原則として現在勤めている会社の就業規則を守って転職活動を行うことに留意すべきだ。面接のアポイントメントは終業時間外に設定すべきだし、必要があれば、有給休暇を取って面接に臨もう。