米国の景気不安がくすぶり続けています。だから、米国の金利はなかなか上がらず、その結果として、米ドルの反発力が鈍い状況が続いているわけです。

 ただ、6月という時期は、これまでに為替と金利の劇的な変化が起こることが何度かありました(「この6月が今年最後のドル安となるのか?米景気不安再燃なら『大底打ちやり直し』も」など参照)。

 私は、今年も6月に劇的な変化が起きてもおかしくはないと注目しています。

NYダウは連続高・大幅高が始まったのか?

 単純に「6月だから」といったことではなく、悲観から楽観へのドラマチックな変化への手掛かりらしきものも、決してなくはないと思っています。

 たとえば、米国のNYダウは先々週まで6週連続陰線引けとなっていましたが、先週は7週間ぶりに陽線引けとなりました(「NYダウは6週続落で『陰の極』を示唆。ならば金利底打ちで、ドル安は最終局面か」を参照)。

 その途中では、米国の景気指標への失望やギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念などで弱含む場面もありましたが、1ヵ月以上続いた米国株の下落は一息つきました。

 今回と同じようにNYダウが6週連続で下落したのは、直近では2002年10月にかけてでした。「資料1」をご覧ください。

資料1

 

 このときは7週間ぶりの陽線引けとなると、その後は一転して8週連続の陽線引けとなり、NYダウは2割もの大幅上昇を達成したのです。

 結果的に、この2002年10月にかけてのNYダウの6週連続下落は、2000年から続いていたITバブル破裂に伴う株式市場暴落の大底入れで起こった現象だったのです。

 先々週にかけてのNYダウの6週続落はそれ以来のことでしたが、同じように、今回も悲観相場のクライマックスだったのでしょうか?

 そして、先週から8週連続の株高、2割もの大幅高が始まっているのでしょうか?

米国景気への「自信喪失」は「誤解」なのでは?

 確かに、この9年間、NYダウが7週以上連続で下落したことがなかったのは事実です。その意味では、先々週まで6週続落となったことで、このあたりで下げが一服するということはあるでしょう。

 ただ、だからと言って、一転してNYダウが続伸し、大幅高となるかと言えば、そこまではどうだろうと思う人も少なくないのではないでしょうか?

 それだけ、景気の先行きに対する「自信喪失」が強くなっている気がしますが、私からすると、それには違和感があります。

 足元では、FRB(米連邦準備制度理事会)が金融引き締めに転じ、人為的に景気を減速させるべく動いたわけでもないのに、何もしないで景気が急に失速し、株価の下落率が1割を大きく超えて2割に迫ろうとしています。

 このような状況に違和感を覚えないほどの「自信喪失」のほうが「誤解」の可能性はないでしょうか?

 「資料2」は、1998年以降で、米国の長短金利差にNYダウが2割以上の下落を始めた3回の局面をマークしたものです。

 これを見ると、NYダウの急落は、1998年7月、2000年1月、2007年10月の3つのケースともに、短期金利が高い結果、長短金利差がほとんどない中で起こっていたことがおわかりいただけるでしょう。

資料2

 短期金利が長期金利と同じぐらい高いというのは、何回も利上げを続けた後ということです。簡単に言えば、株価が短期間で2割以上の急落に向かったのは、連続利上げの後だけだったのです。

 それでは、最近はどうかと言えば…

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