いま起こっている米国の金利低下と米ドル安が今年最後の米ドルの弱気相場となり、それは早ければ6月前半に終わると思います。

 しかし、それ以上に長引いて、昨年夏にかけて見られた米国の景気不安が再現するようだと、米ドルがまだ底を打っておらず、「大底打ちやり直し」となる可能性も出てきかねないと思っています。

「QE2」終了後に米金利は低下するのか?

 米国の金利には、例年6月に年間の天井ないし底値をつける、つまり、重要な基調転換が起こるといったアノマリーがあります。

 このため、足元で続いている米国の金利低下も6月にはクライマックスを迎え、上昇へ転換すると私は見ています。

 そうなれば、米国の金利上昇に伴って、「米ドル高」が進む見通しはより現実味を増すと思います。その半面、米国の金利がさらに低下に向かうようならば、「米ドル高」の展開は足踏みしかねないでしょう。

 それでは、6月以降も米国の金利低下が続くのか、それとも上昇へと転換するのか、そのカギを握るのはFRB(米連邦準備制度理事会)が続けてきた「QE2(第2次量的緩和政策)」でしょう。この「QE2」は、6月末に終了する予定となっています。

 その「QE(量的緩和政策)」との関係を考えると、じつは、先ほどの私の見方とは逆に、米国の金利は一段と低下に向かいかねないのです。

資料1
この6月が今年最後のドル安となるのか?<br />米景気不安再燃なら「大底打ちやり直し」も

「資料1」は「QE」と米国の金利の関係をまとめたものですが、これを見ると、「QE1(第1次量的緩和政策)」と米国の長期金利(10年もの国債の金利)の関係は、「QE1」開始で金利上昇となり、終了で金利低下となっていました。

 そして、昨年11月に「QE2」が開始すると、金利は上昇しました。

 したがって、「QE2終了で金利は低下に向かう」といった連想が働くため、金利市場の中には「QE2」終了後に金利低下と考える人が少なからずいるようです。

 ところが理屈で考えると、「QE」終了で金利低下とはなりません。「QE」はFRBが債券を買うことですから、それが終わったら、むしろ債券価格は下落し、利回りは上昇となるはずです。

 それにもかかわらず、「QE1」終了後に金利が低下したことについて、いわゆる「出口政策」、つまり、利上げへの過程を急ぎすぎた結果だったとFRBは反省しているようです。

 この反省に立って、最近のFRBは「出口政策」、すなわち、利上げへの転換にかなり慎重になっているということでしょう。

 FRBの「学習効果」が効いた行動が成功し、その結果、「QE2」終了後は「QE1」終了後とは異なり、金利は低下しないと私は考えています。

6月の為替予想を考える上でのポイントは?

 いずれにしても、米国金利の行方は6月の、さらに年後半にかけての米ドルの行方を決めることになるのではないでしょうか?

「資料2」は米ドルの総合力を示す実効相場ですが、これを見ると、昨年は前半が「米ドル高」で、後半は「米ドル安」と、きれいにわかれていました。

 その昨年後半の「米ドル安」を後押ししたのが、これまで見てきた「QE1」終了後の米国の金利低下だったわけです。

資料2
この6月が今年最後のドル安となるのか?<br />米景気不安再燃なら「大底打ちやり直し」も

 米国の金利が「QE2」終了後に低下せず、むしろ底打ちして上昇へと向かうならば、昨年とは反対に、年後半に「米ドル高」へと向かう可能性が高くなるでしょう。

 そのあたりが、6月の為替予想を考える上でのポイントになると思っています。

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