アウディにおける奇数の車名は、スタイリッシュさと実用性をバランスさせたユニークなコンセプトであることを意味する。A7しかり、このA5しかり。
アウディA5クーペの登場は2007年にさかのぼる。おとな4名乗車を可能にしたサイズでありながら、バランスのいいデザインでいらい高い人気を保ってきた。
2016年に本国で発表された2代目は、従来のキープコンセプト。比較的広い室内空間をもちながら、2名乗車がさまになるパーソナル性をきちんと備えているのだ。
日本で発売されるのはA5クーペ2.0 TFSI クワトロ・スポーツ。185kW(252ps)の最高出力を持つ2リッター4気筒エンジン搭載だ。
さらに7段ツインクラッチ変速機。そしてアウディ車の代名詞ともいえるフルタイム4WDクワトロシステムを組み合わせている。
大きく変わったと思わされる点もある。湾曲したキャラクターラインと張り出したフェンダーによって前後タイヤの存在感を強調しているのだ。
これをしてデザイナーの世界では“エモーショナル”と表現したりする。実際に走らせるとなかなか気持ちよい。とりわけ乗り心地もよく静粛性が高く、気分が快適だ。その意味でもエモーショナルである。
エンジンパワーは炸裂するというほどではないけれど、370Nmもある最大トルクが1600rpmと低い回転域から発生する設定が活きていて、街中では力強さを感じる。
高速道路でも空力ボディの効果もあるのだろう。伸びがいいと表現したくなる加速感が気持ちよい。静粛性も高く上質だ。