トラブルを事前に防止するためには、簡単に人を信用しないのは当たり前。そんなことよりも、人を頼りにするのはやめて、何事も自分の「目と耳と足」で調べる“自立心”と行動力がすべてに勝ることを覚えておきたい。

 誰かを頼っているうちに、自分で判断することを忘れてしまうこともある。

 さらには、理不尽なこと、おかしいと思うことには、はっきり「NO!」といえる姿勢が問われることはいうまでもない。

 余談になるが、日本人観光客で溢れるアメリカ・ロサンゼルスでは、仕事を探している日本人から「就職話」でお金を詐取する日本人もいる。

 フィリピン・マニラでは開業希望者に「偽りの飲食店」を紹介して荒稼ぎ、ベトナム・ミトーでは「悪質な養豚ボランティア」で私腹を肥やそうとしている“不良日本人たち”の実態にも遭遇したが、これらは単なる一例にすぎない。このほかにも多くのトラブルを目にしている。

「日本のほうが……」と愚痴る人は
海外生活には向かない

 一方、海外生活に不向きな人は、物価や環境、その他、なんでもすぐに日本と比較する人だ。

 生活しているのは日本ではなく外国なのだから、比べてみてもそれは意味のないこと。

「日本と比べてこっちのほうがいい」というならまだしも、「日本だと……」「日本のほうが……」と愚痴のような違いを指摘する人はどうかと思う。

 そういう状態ではいつまで経っても現地の生活に馴染めないばかりか、つまらない毎日となってしまうだろう。

 日本との違いで悪い点があったとしても、それには目をつぶり、「日本と比べて優れている点を見つけては喜びに変える」というスタンスが、海外生活にうまく適応するためには必要なのだが……。