考えすぎは禁物 思い切ってやってみよう!
ただし、「覚悟の移住」はやめたほうがいい

 海外に出かける前に、ほとんどの人は観光ガイド本を買ったり、インターネットで調べるなどして予備知識を得るのが当たり前となっているが、知識を得すぎて「イメージ」を固めてしまうのは、逆にマイナス要素となることがある。

 つまり、自分の頭の中で「素敵な国、きれいな街、やさしい人々」などといったイメージを膨らませすぎると、現地を訪れた際にイメージと異なるギャップがあった場合、予想以上に落胆してしまうというわけだ。

 たとえそうなってしまっても、「別の街があるさ」と楽天的に考えることが必要だろう。

 さらには、考えすぎて「移住のことで頭がいっぱい」になってしまうと、大きな弊害を生むことがある。

 考えるだけで疲れてしまい、「頭の中がグシャグシャ」になって整理がつかなくなり、実際の行動に移れない人がいるからだ。背中を押してくれる人がいない場合はなおさらのようだ。

 知識が重要なのはもちろんだが、あくまでも知識としてとどめ、「現地のことは現地に行ってから」といった自然体のスタンスでいたほうがいいだろう。そのほうが、現地で経験・体験するさまざまな出来事への印象具合、驚き・感激具合も違うものになり、よりいっそう楽しめると思う。

 一方、肩を張りすぎると“追い詰められる感じ”になったりもすることから、「覚悟の移住」はできるだけ避けたほうが賢明だ。

 もちろん「覚悟の移住」に迫られている人もいるため、それを否定するわけではないが、「移住は候補地が見つかってから考える」「嫌になったら日本に帰る」というふうに逃げ道を作っておいたほうがプレッシャーもなくていいだろう。

 極端な例だが、日本人が多く住む中国・大連の公安局から「かばんの中に1000万円の現金を詰めて、二度と日本に戻らない覚悟で入国した日本人がいた」という話を聞いた。

 日本語を話せる公安局の係官の温情もあって、事情を聞かれたあとに無事入国できた。その後、この男性は「ビジネスするよりも国際結婚したほうが永住権を取れるし、てっとり早い」と周りの日本人からすすめられて結婚したという。

 国際結婚することで中国に住めることになったが、精神的重圧やストレスは相当なものがあったと想像できる。このようなことはやめたほうが賢明だろう。
 


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