旧・ワタミの介護と旧・メッセージは、7月から一体運営となり、本社機能も一体化する Photo by Takeshi Yamamoto

SOMPOホールディングスは7月から子会社化していた介護事業2社(旧・ワタミの介護=現・SOMPOケアネクスト、旧・メッセージ=SOMPOケアメッセージ)の一体運営を開始した。経営や人事、総務など本社機能を一体化し、社長以下役員を含め、本社勤務社員も2社を兼務する。そこで、7月から両社の社長を兼務する遠藤健氏(前・SOMPOケアネクスト社長)に話を聞いた。(ダイヤモンド・オンライン編集部 山本猛嗣)

大手老人ホーム2社を買収した
SOMPOホールディングス

「高齢者市場」の代表格のビジネスである介護事業――。近年、その需要増を見込んで、異業種の大手企業が老人ホーム事業会社などを買収して介護業界に参入する事例が相次いでいる。SOMPOホールディングス(当時の社名は損保ジャパン日本興亜ホールディングス)は、まさにその主役となった。

 2012年9月に有料老人ホーム「ラ・ナシカ」などを展開するシダーへの資本参加をきっかけに、15年12月には有料老人ホーム「レストヴィラ」を展開するワタミの介護を完全子会社化、16年3月には有料老人ホーム「アミーユ」、サービス付き高齢者向け住宅「Sアミーユ」などのメッセージをTOBで完全子会社化し、一気に介護業界2位に躍り出たからである。

 話題性も大きかった。

 旧・ワタミの介護、旧・メッセージの両社とも、カリスマ性の高い経営者(ワタミ創業者の渡辺美樹氏、メッセージの橋本俊明氏)が運営する老人ホームとして有名であり、時期的にも両社では介護職員による入居者への虐待や事故、介護職員の過酷な勤務状況などが大々的に報じられていた最中だったからだ。