その後、2017年1~3月期まで、企業の収益は3四半期連続で増加している。金融、ITなどの好調な決算を受けて株式市場は上昇し、史上最高値を更新してきた。4~6月期の米国企業の業績に関しては、平均して8%程度の増益が見込まれている。

 そうしたハイテク銘柄中心の米国の株式市場に関しては、一部の専門家から「既にバブルの状況」との指摘は多い。ノーベル経済学賞を受賞したイェール大学のロバート・シラー教授が考案した"CAPE物価調整後の実質ベースのPER指数"は約30倍だ。この指数が25倍を超えるとリーマンショックなどの混乱が発生する可能性が高まる、」と指摘する経済の専門家は多く、今後の株式市場への警戒感は高まりつつある。

 一方、投資家は押しなべて依然として楽観的だ。IT銘柄などの株価上昇の影響が大きいため、空売りを仕掛けるも株価が上昇してしまい、泣く泣く株を買わざるを得ない投資家も多いと聞く。それが余計に株価を押し上げている。機関投資家の多くは、インデックスが上昇する為、米国株式の保有割合を上げざるを得ないともいえる。

金融緩和策の出口に向かう
欧米の中央銀行

 この状況に冷や水を浴びせる動きが進みつつある。それが、米欧の中央銀行の金融政策だ。
 6月、FRBは利上げよりもバランスシートの縮小を急ぐ意向を示した。4兆ドルを超える資産をFRBが保有し続けると、今後の緩和余地を確保することが難しい。それは、市場参加者に対して緩和的な政策運営を重視するとのメッセージを送ることにもなりかねない。

 それだけに、FRBは、バランスシートに計上してきた債券の保有額を、できるだけ早く減らそうとの意図があるはずだ。FRBは、利上げによってバブルの膨張を抑え、同時に保有資産の縮小を進めて後々の危機対応力を確保しようとしている。