Photo by Masato Kato

──今期が最終年度の3ヵ年の中期経営計画では、リーマンショック前の収益レベルへの回復を目標に掲げた。だが、今もなお、他商社との差は小さくない。

 ロシアやアセアン地域での自動車販売の好調や、石炭価格の上昇などにより、前期は当初予定の1年前倒しで、全事業の黒字化を達成することができた。

 しかし、他商社との差はまだ大きい。その最大の違いは、資源分野の収益力の格差にある。当社も他社と同じように収益ドライバーは金属資源であり、収益全体の6割を占める(2011年3月期は経常利益453億円のうち287億円)。だが、その規模は上位の商社と比べてまだ圧倒的に小さい。今後は、資源分野からの収益を増やさなければいけない。

 資源に頼るのはリスクが高いとの見方もある。しかし、保有資産のバランスが偏ることさえ気をつければ問題はない。会社の収益力を高めるには、まずは資源分野の強化、規模追求が必要だ。