中央が本田宗一郎氏 Photo:Bernard Cahier/gettyimages
イランへの軍事作戦を発端とした中東の混乱が収束する気配がない。遠く離れている日本の我々の生活も大きく影響を受け、不安定なものになってきている。「この国は平和」と思っているぼんやり生きている日本人、特に経営者は、ホンダ(本田技研工業)の創業者である本田宗一郎の言葉が今響くのではないか。(イトモス研究所所長 小倉健一)
本田宗一郎に学ぶ「平和ではない時代」の考え方
現在、中東では激しい軍事衝突が続いている。
米国やイスラエルによるイランへの大規模な空爆が行われ、ミサイルが空を飛び交う事態となった。原油の価格は急激に跳ね上がり、日本でも電気代やガス代が高騰し、人々の暮らしに重い負担がのしかかっている。平和な日常は、遠く離れた場所の武力衝突によって、いとも簡単に揺らいでしまう。
日本はエネルギーの多くを中東に頼って生きてきた。石油が止まれば、工場は動かなくなり、物流も止まる。戦争は、遠い砂漠の出来事ではなく、日本社会の根幹を脅かす重大な危機である。平和な日々が続くことを誰もが願っているが、祈るだけで平和が保たれる時代は終わったと言わざるを得ない。
平和というものは、空の空気や川の水のように、何もしなくてもタダで与えられるものではない。人類の歴史は争いの歴史であり、平和な期間は常に、誰かの努力や備えによって維持されてきた。
しかし、長きにわたる平和な時代に慣れきってしまった日本人は、平和を維持するためのコストや労力から目を背けてきたのではないだろうか。
現代において、かつて世界を舞台に戦った偉大な経営者、本田宗一郎の言葉を思い出す必要がある。
彼は小さな町工場から出発し、世界的な自動車メーカーを一代で築き上げた。彼の目は、単に機械の仕組みに向いていたわけではない。社会の動き、人々の暮らし、そして国家のあり方に対して、常に鋭い視線を向けていた。失敗を恐れず、常に新しい技術に挑戦し続けた姿勢は、現代のリーダーたちにとって最高のお手本である。
本田氏は、自らの企業を育てるだけでなく、社会全体がどうあるべきかを深く考えていた。







