子育てのトラブルは親の問題
亡き夫の跡を継いで自動車の整備工場を経営しているEさんは、営業力もバイタリティもあって、幾多の困難も乗り切ってきましたが、そんなEさんでもどうにもならないのが子育てです。
中学1年生の長女が引きこもりになってしまったのです。
長女は中高一貫の進学校に入学しましたが、1学期の途中から学校を休みがちになり、やがて自室に引きこもって、食事も1人で摂るようになってしまいました……。
こういう場合、子どもよりも親に原因がありがちです。
事実、「娘の乱暴な言葉遣いを叱責したことがきっかけだったかもしれない」とEさんは振り返ります。
もちろん、Eさんの行動は子育ての一環でした。
しかし、Eさん自身、職場で男性スタッフを相手に乱暴な言葉遣いをすることが多々あり、それを真似して怒られた娘にとっては納得がゆかず、矛盾も甚だしいところです。
子育ては、親が一方的に子どもを育てるだけではありません。
子育てを通して、親もまた、子どもに育てられる。
つまり、親と子どもは影響し合う関係なのです。
ですから、こういうときは、まず親自身が変わらなくてはなりません。
「子どもに真似をされてはいけない」と思って悪い癖を改善する、「子どものために親らしく振る舞わなければいけない」と思って自分を厳しく律する、といった努力をしましょう。
社会のルール・言葉遣い・礼儀作法……。
親が子どもの規範になるような存在を目指せば、親の姿を見て子どもも成長していきます。