15年間、TOEICテストを毎回受験しているTOEICのカリスマ講師で、長文読解問題の攻略法をまとめた『TOEIC L&R テスト パート7攻略 ――中村澄子のリーディング新・解答のテクニック』を出版した中村澄子先生に聞く、TOEIC攻略のコツ。連載2回目は、リスニングセクション(パート1~4)についてです。
単語はまあまあ聞こえても
話の流れがわからない人の特徴
多くの人にとって、TOEICで大幅な得点アップが期待できるのは、リスニングセクション(パート1~4)です。
リーディングセクションのパート5(文法問題)から勉強を始める人が多いのですが、得点の計算方法の関係で、リスニングセクションの方が、短期間に大きく点数を上げやすいのです。
中でも、パート3が点数アップの要です。
細かい違いはありますが、大まかに言えば、パート3ができればパート4もできるので、パート3の勉強をしっかりすることが大切です。
パート3が39問、パート4が30問。
パート3とパート4を合わせると、リスニングセクション全問題100問中69問と、約7割を占めます。ここでしっかり得点を稼いでおきましょう。
ただし、リーディングセクションの点数が300点以下の人は要注意です。
リーディングが苦手な人は、リスニングセクションのパート4には苦労すると思います。
読んでわからない文は聞いてもわかりませんから、リスニングセクションでも読解力は重要なのです。
特にパート4は、一人のナレーターが長めの英文を話すのを聞いて答える問題です。
読解力がない人は、単語が細切れに耳に入ってくるだけで、話の流れがつかめません。
そこで、パート4の得点が伸びない人は、読む力をつけること、そのためには、文法の基礎をおさえた上で、英文を頭から読む練習をすることです。
まずは、中学・高校でならう文法を、ざっとおさらいするといいでしょう。
リズムが崩れたら
その問題は捨てて次へ行く
パート3と4のテクニックとしては、設問と選択肢の「先読み」のペースを守って解くことが有効です。
リスニングセクションは、ナレーターが最初にディレクション(指示文)を読み上げます。これは決まり文句なので、公式問題集などであらかじめ文を知っていれば、わざわざ聞く必要はありません。
そこで、ディレクションが読み上げられている間に、最初の1題の設問と選択肢を読んでおくのです。
ディレクションの後に、会話の音声が流れるわけですが、設問と選択肢の先読みが終わっていれば、「何が問われるのか」を知った上で、会話の音声を聞くことができますから、すぐに正解をマークできます。
そして、マークが終わったら、すぐに次の問題の設問と選択肢を読みます。
このように、常に次の問題の設問と選択肢の先読みを続けるわけです。
このペースをひたすら守ってリズムよく解いていきます。
もし、どこかでこのリズムが崩れてしまったら、その問題は捨てて、次の設問に移って先読みのリズムを取り戻します。
テスト本番で先読みのリズムに乗れるよう、2016年5月のテスト改変後に出版された公式問題集3冊を使って練習を繰り返しましょう。
リズムよく、設問と選択肢の先読みができるか否かかが、大幅な点数アップのカギになります。
なお、2016年5月のテスト改変後には、図表問題(音声を聞いて図表を見て答える問題)が出題されるようになりました。
この図表問題は、あらかじめ図表をチェックをしておくと解くのがラクなので、リスニングセクションのパート1のディレクションが流れている時間と、パート1のサンプル問題が流れている時間を使って、図表に目を通すようにするといいでしょう。
また、同じく改変後に導入された「意図を問う問題」(What does the woman/man mean/imply when she/he says, “------------“?)はもっとも取り組みにくい問題です。
600点以下の人は飛ばす(適当にどれかをマークし、次の問題に移る)、800点以上を狙う人でも半分できればいいと思って解くといいと思います。