すでに、それ自体で多機能情報管理システムとなっている宅配ボックスは、既存のドアホンシステム、防犯カメラネットワーク、セキュリティーシステムなどと統合されたシステムになって行くだろう。

 そうなれば定期清掃、エレベーターメンテナンス、水道、ガスの検針員などの出入り確認、業務チェック、報告書の受け取りなどをこなし、情報は即座に管理会社に伝えられる。住民も荷物の受け取りや留守中の訪問者との会話を、世界中どこにいてもスマホやPCでできるようになる。長期出張中に届いた生鮮食品を、宅配業者に指示して再保管させたり、別のところに転送させることもできる。

 つまり、その目指す姿は「究極の管理人」(前出の原社長率いるフルタイムシステム社ウェブサイトの「ごあいさつ」より)というわけだ。昨今は超高級マンションでもなければ、24時間常駐の管理人さんを置くことなどできないが、未来の宅配ボックスは、どんな規模のマンションでも24時間管理人常駐レベルの、いやそれ以上のマンション管理日常業務までをこなしてくれるスーパー管理人となってくれるだろう。

 どのような分野でも高機能、多機能システムは人間の職場を奪う。このような宅配ボックスの未来について、あるマンションの管理組合理事に説明する機会があった。彼はしきりに感心して聞いてくれた後、こんな感想を語ってくれた。

「凄いとしか言いようがないし、うちでも導入してみたいとは思うけれど、うちの管理人さんは、ちょっと見つからないほどいい人なんですよねー。須藤さんのアドバイスを受けて管理会社を変えた時にも、わざわざお願いして、今の管理会社に移籍してもらったくらいですからね。彼のような人の職場がなくなるというのは複雑な気もしますね。だいたい、ほぼ完璧なセキュリティと言ったって、一国家のサーバがハッキングされる時代ですからね、手元のiPadの操作で、一瞬のうちに宅配ボックスの扉を全部開けてしまうような悪い奴が現れないとも限りませんよね?」

 さて、みなさんはどのような感想を持たれただろうか?

(須藤桂一 株式会社シーアイピー代表取締役・一級建築士)