M&A、提携戦略の具体的な案件については「インサイダー情報」とかぶるので、答えてくれないだろうが、なんらかの反応、アクションが感じられれば十分だ。
このように叩き台があると、質問しやすい。また、叩き台を提示したあと、「具体的に教えてください」と「具体的」なところがわかるような取材を進めるのがいいだろう。
文系でも問題なし!
新技術についての取材術
新技術取材までできたら、もう取材のプロに近い。理系の方なら、新技術取材ができる人もいるだろうが、私は個人投資家にはそこまでは求めない。ただ、どうしてもやりたいというなら、文系の私でもわかりやすかった新技術取材の流れを紹介しよう。
まず、その新技術が従来のどの技術の延長線上に出てきたのか、具体的にどんな技術で、開発現状はどうで、将来展望はどうか、大型製品の期待が持てるのかどうか……新技術の「親」「内容」「現状」「未来の姿」という時系列で話を聞くとわかりやすい。
ただ、「親」がいない場合もある。それは、これまで手掛けていなかったまったく新しい分野を開拓するなかで生まれたもので、他社から買い取った新技術や、買収した企業がその新技術を持っていたなどのケースだ。
ついでというわけではないが、質問の最後に「現在の御社の株価をどう思っているのか」とさらりと聞くのも面白い。
「株価はマーケットが決めることで、コメントできるものではない」というのが教科書的な答えだろう。これは可でもなく不可でもない答えだ。
「株価水準は安く思う。できる限り株価水準を上げていけるように努力したい」という答えをしてくれる企業なら「優」だ。株価意識が高い企業は評価できる。