愛するものを収めてみる

 自分が大好きなものを抜粋して書き出す「偏愛マップ」も丁寧にまとめられており、書き出すことで、何を大切にしているのかを考えるきっかけとなったそうです。

 自分の好きなものが何か知るということは、自分が何に反応するのかを知るということです。自分が何に反応するのかを知るということは、自分の心の入れ物がどのような形をしているのか知ることです。

 例えば、「映画鑑賞が趣味です」というよりは「『ショーシャンクの空』が好きです」と語る方が、自分の輪郭が明確になっているといえます(個人的に「食べてる時がハッピー!!」と赤文字で力強く書いているのがお気に入り)。

 モレスキンユーザー同士が出会った時に、互いに興味深い話が展開され、いつまでも話題がつきないという不思議な現象があります。それはモレスキンノートを使うことで、自分が何に興味を持っているのか明確になっている人々であること、自分が何を愛しているのか知っている人々であることが理由なのかもしれません。

 ちぃさんのモレスキンノートの写真を眺めていると、本当に大切なものがぎゅーっと濃縮されて1冊に収まっていることに気がつきます。それはまるで、陶器の壷に濃厚なハチミツが詰まっているように感じました。

 例えば、この何枚かの彼女のモレスキンノートの写真を眺めて、彼女の愛らしさが伝わってくると思いませんか? 彼女と会った時に話が弾むと思いませんか? 彼女の個性がここにあります。

満ちていくノートブックという形

 自分の形をした入れ物にノートブックを選択する人々は、自分が考えていることに静かに集中しています。しーんとした一人の夜に、モレスキンノートは常にあなたの側に寄り添います。最初は家族のように感じていたノートブックが、ある日突然、自分自身そのものであると気付くのはそんな夜です。

 自分がどのような形をしているのか、それはモレスキンノートを眺めた時に観察できるのではないでしょうか? ゆっくりと考え事や好奇心を水のように注いでみましょう。満ちていくノートブック、それはあなた自身です。

 自分の気に入った形の花瓶に、素敵な花を生けることができますように!

高谷 宏記(たかや・ひろき)
1974年札幌生まれ。モレスキンを通じた生き方・哲学・思想について語りつくすBLOG「blanq_text」管理人。世界一モレスキンについてTweet する男・通称「モレスキン・カウボーイ」として活動。拳銃の代わりにモレスキンを開くきっかけ「モレスキン・トリガー」という思想を武器に、情報(ネタ)の弾丸を発射している。モレスキンを通じたユーザーイベントも実施。本業はグラフィック・デザイナー。
blanq_text http://www.blanq.org/text/

 

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「伝説のノート」と生きる61人それぞれの活用法
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連載の予定
第1回:「人生を入れる、「モレスキンノート」の魅力とは?」
第2回:「モレスキンと日常~「伝説のノート」にあなたの記録を始める」
第3回:「モレスキンと旅~モレスキンノートは旅人によく似合う」
第5回:「モレスキンとアート~日常の中でのクリエイティブ・アクション」(9/21)
第6回:「人生を最高に旅するためのノート、モレスキン」(9/22)

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