モレスキンに記録していくと、そこには自分そのものが収められることになる。自分の好きなものや大切なもの。長い時間と共に書き込まれたノートは、自分の個性そのものである。
「君は何を美しいと思う?」「木よ」「木か。だったら、君は木に似てる」――『パリの恋人』
個性という満ちていく「入れ物」
自分が何に好奇心を持っているのか、どのようなことを考えているのか、どのような世界を持っているのか、何を美しいと思うのか。このような内容が書き込まれたノートは、膨らみ変形し、多様な姿に変化していきます。
モレスキンノートはパーソナリティそのものであり、共に長い時間を過ごしているうちにだんだんと「自分」に似てくるように感じます。
本来個性というのは、あらかじめ用意された入れ物のようなものがあって、そこに何かを注ぎ込んで行くようなものなのかもしれません。
花瓶のような入れ物に水を注ぎ込んで行くことで、満ちていくこと。時には、雨の中に置かれたコーヒーカップのように言葉で溢れているかもしれません。時には、深く澄んだ湖のようになみなみと水を貯えているかもしれません。満ちていく入れ物であるノートブックは多彩です。それが個性なのかもしれません。
ノートブックに「熱」を入れる
神奈川県の会社員である、ちぃ(@chii_nakanaka)さんは、人事異動で仕事内容や働き方が変わった時期に『モレスキン「伝説のノート」活用術』と出会ったことがきっかけとなり、自由度の高いモレスキンノートに興味を持ち使い始めました。
立ち仕事で両手を使うことが多いことと携帯性、そして硬い表紙が立ったままメモを取るのに最適であるため、主にハードカバーのポケットサイズを愛用しています。
仕事のこともプライベートのこともこの1冊で丁寧にまとめています。書いた内容を後から他のスケジュール帳に転記したり、終了したタスクを線で消したり、自分で撮った写真を貼り込んだり、イラストを描いたり、気になる記事をスクラップで貼り込んだりしています。この1冊を眺めることで、仕事での悩みや課題、ハマっていた趣味、楽しかった思い出を思い出すことができるノート作りをしています。
ちぃさんはLIVEを見に行く趣味を持っていて、見開きでその思い出を丁寧に見やすくまとめています。左側ページに、moleskine.comが提供しているMSKのミュージックテンプレートを利用して、セットリスト(曲目)を貼付けています。中央下にLIVEのチケット、右側ページにLIVEの感想を書いて、手に入れた紙片を貼り付けています。LIVE会場から家に帰ってからも、その時の盛り上がった内容や感動をなるべくそのまま保存しておきたくて始めたそうです。
左側に客観的な事実を書き留めて、細部を感想で埋めていくことでその時心の中に飛び込んできた「熱のようなもの」を、ノートに収めています。よれよれになったチケットも、個人的な体験がたっぷりと詰まっています。
その日聴いた曲で、皆で盛り上がった曲や、生で聴いて非常にテンションが上がった曲には花のマークをつけて、読み返した時にいつでもそのときのアツイ思いがよみがえるそうです!