ライオンが仕掛けるマーケティング戦略の裏側

洗剤・洗濯の話題だけで4万人超が盛り上がる“場”をつくる

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コミュニティの運営には相当な覚悟が必要

――コミュニティが購買行動に結びついているという手ごたえはありますか。

石橋 今の段階ではまだ分かりませんが、コミュニティを通じて私たちもいろいろなチャレンジをしているところです。たとえばコミュニティ参加後にNANOX、HYGIAを購入するようになった人に影響を与えた声「VOI(Voice of Influence)」を商品のパッケージに印刷して、今年の梅雨の前に販売したこともチャレンジの一つです。

商品のパッケージには購入に至った人に影響を与えたVOI(Voice of Influence)を印刷した商品のパッケージにはコミュニティ参加後、購入に至った人に影響を与えたVOI(Voice of Influence)を印刷した

――NANOXのブランドサイトにある「みんなの声」に、コミュニティ内に書き込まれたメンバーの「お洗濯Before / After」を転載したところ、「製品特長」の送客率が変わったそうですが、これはどういうことですか。

クオン マーケティング本部 コミュニティコンサルティング部 コンサルタント 松本彰さんクオン マーケティング本部 コミュニティコンサルティング部 コンサルタント 松本彰さん

濱田 コミュニティのオープン前は「みんなの声」に製品開発時のモニターテストで得られた声を掲載していたのですが、それをコミュニティのメンバーの声に変えたところ、お客さまの関心が高まり、より多くの方に「製品特長」のページへ遷移していただけるようになったのです。

弊社では、「製品特長」をご覧になるお客さまは製品に関心を持っているという仮説を立てており、ブランドサイトのコンバージョンポイントとして「製品特長」ページを設定しています。そのコンバージョン率に顕著な違いが出たのです。

石橋 その結果を社内にフィードバックしたところ、他の商品ブランドの担当者たちからも多くの関心が寄せられました。どのブランドも、ファンとの結びつきを強めたり、ロイヤルティを高めたりすることに課題を感じているので、この結果を聞いて興味を持ったのだと思います。

他のブランド担当者からどうやったらできるのかと聞かれることも多いのですが、そのたびに「コミュニティの運営には相当な覚悟が必要だよ」と答えています。3カ月、半年といった短期のマーケティング施策として消費者コミュニティを考えているのなら止めた方がいいと。長く続けるためには相当な覚悟が必要です。

日俣 私たちは結構大変なプロジェクトに関わっているということですね(笑)。

――ライオンさんとクオンさんのミーティングは、どのように行われるのですか。

クオン メディアデザイン本部 コミュニティ企画編集部 プランナー 佐田砂絵さんクオン メディアデザイン本部 コミュニティ企画編集部 プランナー 佐田砂絵さん

石橋 先ほどお話ししたように、コミュニティサイトのオープン前は毎週のようにミーティングをしていましたが、今は月1回程度です。参加者はファブリック事業部からブランド担当やプロモーション担当、コミュニケーションデザイン部、ライオン快適生活研究所のお洗濯マイスター(お洗濯情報のスペシャリスト)、Lidea(ライオンのオウンドメディア)の担当などで、現状報告や課題を話します。それらが、季節ごとの洗いものなど、コミュニティメンバーの関心が高い話題で楽しんでいただきながらうまく改善に向かうようなトピック案を出し合います。

松本 ミーティング参加者は10名を超えます。かなり多い人数ですね。そのためブランド担当の視点、プロモーション担当の視点、宣伝部の視点などさまざまな視点でディスカッションが進み、私たちも勉強させていただいています。

佐田 私たちがプランニングをしてご提案をすると、他の多くの企業の担当者さまにはわりとスムーズに「これで行きましょう」とご了解いただけるのですが、ライオンの担当者さまからはすんなりOKをいただいたことがまずない(笑)。ディスカッションを繰り返し、企画が練り上げられていくという、素晴らしい時間をいただいています。

濱田 多くの関連部署を巻き込んでいるので、ミーティングではさまざまな経験や知見に基づいた意見が出ます。それらをできる限り生かして、お客さまに喜んでいただける「いいもの」をつくる気持ちで参加しています。

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