洗剤という「モノ軸」から、洗濯という「コト軸」へ
――今年2月の「HYGIA」の商品リニューアルに合わせて、施策を打ったそうですね。
石橋 梅雨の時期はニオイや菌の増殖を抑えたいというお客さまのニーズが高まります。そこで昨年の梅雨入り前にモニターを募集して旧HYGIAを使ってもらい、使用実感のナマ声を集めました。
またリアルイベントとして、東京にあるライオンの研究所へお越しいただき、コミュニティメンバー同士の座談会や洗濯のマイスターを講師とした勉強会を実施しました。
そして発売前の12月の段階で募集した先取りモニター1000名に新しくなったHYGIAを使っていただき、その使用感をブランドサイトに掲載しました。このように緻密なスケジュールを組んだ施策を実施しました。
――コミュニティでは勉強会のようなリアルイベントも多く開催しているのですか。
石橋 今年8月に3回目となるリアルイベント「夏の自由研究をサポート! 親子工場見学イベント」をライオン千葉工場で行いました。第1回、第2回の時は座談会形式だったのですが、みなさん初対面なのにコミュニティの仲間という意識があるためか、いろいろなお洗濯の話をして盛り上がりました。
リアルイベントの開催は今のところ東京が中心となっていますが、メンバーは全国各地にいるので、他のエリアでもやりたいですね。
――洗剤という「モノ」から洗濯という「コト」へ話題が広がっているのですね。
濱田 コミュニティへはNANOXとHYGIAというモノの軸から入るのですが、お洗濯というコト軸の切り口で会話が進んでいきます。また「お役立ち情報」ではお洗濯マイスターが「アーチ干し」のような衣類が素早く乾くコツなどを紹介しているのですが、それを実践して「早く乾きました」「ニオイがなくなりました」という声が画像付きでコミュニティ上にアップされる。モノ軸とコト軸のバランスが取れたコミュニティだと思います。
佐田 コミュニティのメンバーは大多数が「お母さん」です。彼女たちは、HYGIAを使うようになったら夫が「タオルが臭い」と言わなくなったとか、汚れがきれいに落ちて子どもが喜んでいるといった「コト」を通して、この商品を使ってよかったと実感していくんですね。
そこでコミュニティでは、洗濯機が回っている間だけでなく、その前や後の「コト」を「お母さん」同士でおしゃべりしてもらうことで、「うちもそう!」と共感の輪を広げていこうと考えています。
濱田 家庭で「洗濯物が臭い」という文句が出ることがあります。でもどうすればニオイの問題を解決できるのかという会話にはならない。それがコミュニティでは「HYGIAを使うといいよ」という会話に発展する。その会話が口コミで多くのお客さまに広がっていくことを期待しています。
ファンの声が他の人へ伝播していく流れを作る
――コミュニティの今後の展開について教えてください。
濱田 社内では三角形を描いて説明をするのですが(図参照)、頂点に位置するコミュニティのファンを増やすとともに、そのファンに「アンバサダー」になっていただいて、低関与のお客さまに伝播していくような流れをつくりたい。その流れが可視化できるといいですね。
日俣 コミュニティの会話から見えてきたことを商品企画に反映できないかと考えています。
石橋 コミュニティでやりとりされるメンバーのナマの声を、生産・研究・営業の現場やパートナーの流通さんとも共有して、より良い製品をお届けできるようにもしたいですね。
佐田 今はまだ商品にとどまっていますが、ブランドのこと、ライオンという会社のことも分かっていただけるように育てていきたいですね。
――ライオンさんがクオンさんに期待していることは?
濱田 難しいとは思いますが、先ほどの可視化の糸口を探していただきたいと思っています。
石橋 私たちは洗剤・洗濯まわりの事柄で企画を回していきがちです。クオンさんから情報や知見をいただいて、より良い企画を立て、長く続くコミュニティに育てていきたいですね。
松本 そのためにミーティングでは、白熱した議論をさせていただき、新しいチャレンジを続けていきたいというのが私どもの願いです。
佐田 私たちの大きな役割は、お客さまの生活状況やリアルな声をライオンさんに伝えること、そして、ライオンさんが伝えたいことをお客さまが理解しやすい形で伝えることです。そうやって、企業と消費者をつなぐ役割を果たしていくつもりです。
>>「ライオン トップ ファンコミュニティ」のサイトはこちら
>>NANOXのブランドサイトはこちら
>>HYGIAのブランドサイトはこちら
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