『釣りバカ』ハマちゃんのような
“社長のお気に入り”になる条件
6月に公開した記事「成果がないのに出世する人、仕事はできるのに没落する人の違い」を読んだ読者から「どうすれば社長に引き立てられるような人になれるのか」という問い合わせが編集部にいくつか届いたらしい。
どうも、映画『釣りバカ日誌』における、社長と仲良しの平社員「ハマちゃん」のような人物を念頭に置いているようだ。
人や会社によって環境が違うので、一般化して答えるのはたいへん難しい。さらに個人としても処世術はあまり得意でないから、あくまで、経営者の側近としていろんな人を見てきた個人的な経験に基づいてお話をすることをお許しいただきたい。
まず、大前提を示しておく。
その人が社長になるはるか以前に、お気に入りになっていなくてはならない。
なあんだ、と思うかもしれないが、間違った努力をしている人が後を絶たないので、肝に銘じておいてほしい。社長になってから取り入ろうとしても、同じような魂胆の人がたくさん、たくさん群がっていて、時すでに遅し、なのである。
せめてその人が事業部長くらいのとき、できれば部長くらいのころから、目をかけてもらっていなければならないのだ。それでこそ、「昔から苦労を厭わず頑張ってくれるいい奴だ」と思ってもらえるのである。
そもそも今から社長のお気に入りになっても、あと数年で実権を失うのだから、将来を見据えて、今後の成長株に乗り換えた方がいい。
その前提を踏まえたうえで、お気に入りになるために欠かせない第一の条件は、なんといっても忠誠心だ。忠誠心といってもいろいろあるが、一般的に次の3つのタイプの忠誠心が必要と考えられる。