対北朝鮮・米国・中国、衆院選後は脱「官邸一強外交」を

 衆院選挙も中盤を過ぎた。選挙の行方は当然のことながら日本の外交にも大きな影響を与える。今回の選挙は安倍政権5年の審判という意味合いも強いので、ここでは安倍政権の外交について評価をしつつ、選挙後の外交課題について議論したいと思う。

北朝鮮問題を外交的解決に導けるか?
「圧力路線」だけでなく緻密な戦略を

 自民党の選挙公約の第一には「この国を守り抜く」と掲げられ、北朝鮮に対する圧力強化を主導し、核・弾道ミサイル計画を放棄させることを目指すとともに、核問題の解決に全力を尽くすことをあげている。

 残念ながら、過去5年の「圧力路線」の下で北朝鮮核ミサイル問題が好転したわけではなかった。

 この5年の間に、北朝鮮に対する国際社会の圧力が強化されたにもかかわらず、北朝鮮は核実験を4回繰り返し85回にも及ぶミサイル実験を繰り返した。今や相当長距離の弾道ミサイルを保有し、核による脅威は新しい段階に来たとされている。

 拉致問題についても解決に向けての顕著な動きがあったわけではない。