それは主義? はたまた事情?? 「AかBか」という主義が分かれそうなトピックをあらためて考える、人気エッセイストの古賀及子さんによる書き下ろし新刊『暮らしの信じ方』より抜粋・再構成して公開します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

暮らしの信じ方Photo: Adobe Stock

前回≫8/5公開、もしも世界が変わっても、朝に起き出し夜眠りたい【朝か夜か・古賀及子さん書き下ろし(1)】

はからずも自動的に三文の徳をしている

 規則正しい生活をしましょう、早寝早起きをしましょうというのは、小学生のころによく言われたし、その後の学校生活でも、社会人になってからも薄く諭され続けてきた。

 早起きは三文の徳と言われるように、健康や美容の意味でも、仕事の効率性の側面からも、規則正しく早く寝て早く起きるのがいいというのは生活における定番の言説だと思う。

 聞くたびにひしひしと、ラッキーなことだとありがたがってきた。
 私はそうしようと思わないまま勝手に体が早寝早起きだから、はからずも自動的に三文の徳をしていることになる。

まるっきり夜がだめだ

 けれどいっぽうで、ちょっと不安にもなるのだった。私はまるっきり夜がだめだ。

 友達が夜にドライブに連れて行ってくれたとき、二十一時をすぎたくらいでくらっと眠くなってしまったことがあった。

 なぜなら、窓の外が暗いから。車に乗っていると、車内も暗い。眠い。

 あのときは窓の外に新幹線が見えたことにより、嬉しさで(私は新幹線が大好きです)なんとか意識を保った。

 今日は飲みましょうと、意気込んで十九時、二十時に集まっても、一軒目でもううとうとしてくる。友人らとどこかへ出かける際、最近は昼に集まってお昼を食べて、夕方くらいに解散するのでちょうどいい。

昼夜が逆転したことが人生で一度も無い

 加齢の現象のようでありながら、なんだかんだで若いころから朝型の傾向にはあった。

 私はダンスミュージックが好きで、二十代のころにはよくクラブイベントに通ったけれど、夜通し踊るのは大変だなあと薄々感じ続けていた。

 アフターパーティーという、朝まで踊ってまだ踊り足りない人のために早朝からはじまるパーティーに、早起きして朝から行くのが好きだった。始発に乗ってクラブに踊りに行くわけだ。

 これは珍しい趣味ではなく、案外好む人が周囲にもちらほらいたから、ダンスミュージックファンにも朝型はそれなりに存在するようだ。

 なんとか夜通し踊った場合も、始発で帰ったらすぐに寝て、午前中のうちには起きて朝ご飯をちゃんと食べていた。

 そんなわけだから、昼夜が逆転したことが人生で一度も無い。

 夜更かしの習慣から、じわじわと寝る時間が後ろにずれ込んでいった結果、朝に寝て夜起きるようになる、というあれだ。ただ一度の経験もない。

 とにかく夜寝て朝起きたいという気概を、若いころからずっと持ってきた。それくらい強固に朝に起きたいし、夜は寝たい。