消費増税分の一部を歳出に回すとした、安倍晋三首相率いる自民党が選挙で大勝した。また、それに先立つG20財務相・中央銀行総裁会議で、日本は財政健全化目標を達成できないと表明した。それでも財政は破綻しないのか。久留米大学の塚崎公義教授が破綻しないと“楽観論”を展開する。
10月22日に投開票が行われた衆議院選挙では、与党が圧勝した。これにより、争点の一つだった「消費税増税の可否」については、増税派が勝利したことになる。ただ、安倍晋三首相は、「増税分を借金返済ばかりではなく、少子化対策などの歳出により多く回す」としており、決して緊縮財政というわけではない。
しかも、安倍首相は消費増税を延期した「前科」があり、増税の再延期の可能性も皆無とは言えないだろう。
「政府の財政赤字も借金も巨額なのだから、一刻も早く財政を再建しないと財政が破綻してしまう」と心配している読者も多いに違いない。しかし、筆者は心配無用だと考えている。