ホームレス時代は、実家近くにあるスタジアムの傍らに段ボールを敷いて寝ていた。シーズン中は、入場待ちの客と間違えられて、「一番乗りですね」などと言われたこともある。

 フルシーズン、ホームレスをしていると、様々なことがある。いきなり、心ない人から写真を撮られたこともあった。

 夏は、寒くない分、気が楽だった。

 ただ、寝ているときにゴキブリが耳の辺りを駆けずり回ると、発狂したくなる。そんなゴキブリ体験も、だんだんと慣れてきた。

「蚊が媒介して、他のホームレスの汚い人のヘンな病気が移っちゃったらイヤだな」

 そんなことが気になったものの、蚊に襲われることも、それほどなかったという。

国の制度で大型免許取得
ホームレス脱出に成功

 現在、後藤さんの過ごしたスタジアムは改装工事中で、たくさんいたホームレスの姿が、1人もいなくなっていた。

「ホームレスは経験するものではない」と、後藤さんは笑う。

 ホームレスを辞めたきっかけは、直接仕事に入ってしまったことだ。