一次情報、オープンソースは
プロこそ重用

上田 妥当性は過去のデータに照らして、そのようなことがありえるかということです。ただ、初めて接する事象でも「妥当性がない」と無視してはなりません。過去の蓄積だけだと、偏見で評価してしまうことになります。新たな事象でも妥当なことはいくらでもあります。

 次に一貫性です。情報の内容が首尾一貫しているか。これは極めて重要な判断基準です。一つの情報の中で、内容が矛盾する場合は疑わしいわけです。ただし、逆に「巧妙なうそ」は真実よりも一貫性があるため、注意を要します。

 そして、具体性は必要なことが細大漏れなく述べられているか。具体的であればあるほど、正確性が高いといえます。

 関連性は内容が肯定的か、または否定的かを見ます。これらは、過去に積み上げてきた既知の情報、またほかの情報源からの情報やインテリジェンスと照らし合わせて判断します。

 ほかにも重要なこととして、統計にだまされないことがあります。

秋山 意識調査などでも、母集団の取り方次第で、結果が正反対になることもありますし、平均値だけ見ていて、中央値を見ないと判断を誤るとかいろいろありますね。

上田 一次情報の重要性も強調しておきたいですね。分析官もオープンソースから情報を得る、オシント(OSINT、open source intelligence)の実践がまずは鉄則なのです。オシントで90%以上のことが分かるといわれています。

秋山 特殊なエージェントと接触したり、秘密の情報源からだけ情報を得ているわけではないのですね。ビジネスで競合他社について調べる場合でも、ツテをたどって内部情報を聞き出すといったこともありますが、まずはIR情報や有価証券報告書を見るとか、会社のホームページで公開している様々な情報を見るのが基本ですね。

Photo:DOL

上田 なるほど、ビジネスの世界と基本は同じですね。もちろん相手側に都合のよい宣伝工作や偽情報に乗りやすいリスクもありますが、基本はオープンソースです。

秋山 プロこそ、基礎情報や公開情報を疎かにせず、まずそこから始めるというのは学ぶべき姿勢ですね。