住宅設備のほとんどを手がけ、売上高1兆円を誇る住生活グループ。4月には傘下の事業会社を合併統合し、新たなステージに乗り出した。目指すのはM&Aを駆使した世界展開だ。だがそこには巨大組織ならではの難しさが潜む。(「週刊ダイヤモンド」編集部 柳澤里佳)
今年12月、住生活グループはまた一つ、傘下の企業を増やす。しかも、グローバルに展開する建材大手だ。その名は世界27ヵ国で事業展開するイタリアのペルマスティリーザ。買収取得額は約630億円(予定)、住宅関連企業の海外M&Aとしては最大規模だ。
2001年にトステムとINAXが経営統合し、純粋持ち株会社として誕生した住生活グループ。その歴史はまさにM&Aの歴史といっても過言ではない。もともとトステム自体がいくつも吸収合併を繰り返し拡大してきた経緯があり、特にここ2年は矢継ぎ早にM&Aや提携を打ち出している(下表参照)。いまや連結対象子会社は100社以上、押しも押されもせぬ1兆円企業だ。